王国

王国  奈良原一高

この写真集は、非常に有名でそして高価な写真集だ
作品の発表は1958年だから60年前ということになる
私の持っている本は、1978年のものである
10年位前に古本で買った時、結構な値段だったが
今はその時の買値の倍額で売られている

2014年にこの「王国」は東京国立近代美術館で再展示があった
この展示は、私の持つ写真集のページ順と同じ順での展示であった
そしてそこで、この「王国」の新装版写真集が2000円くらいで販売された
わたしはこれも購入したが、その新装本も最近では見掛けなくなってきた

写真集は北海道の男子修道院を撮影した「沈黙の園」と
和歌山県の女性刑務所を撮影した「壁の中」をまとめたものだ
どちらも外部と隔絶された空間であり、同性が共同生活を送るという
偏った場所でもある

写真を視ると、これら隔絶された場に生きる人間の姿から
そこでの暮らしを想像させられる
さらに、修道院と刑務所とを対比させることにより二つの施設の違いと
事実背景の違いを浮かび上がらせる
奈良原氏はこの手法をパーソナル・ドキュメントと表現していた

これだけの素晴らしい写真表現を発表した当時、奈良原氏はまだ
大学院生であったということも驚かずにいられないだろう

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