夏のバス停

夏のバス停

先日清水駅江尻口を降りた時に面白い光景を見ることができた
それは、連日猛暑日が続いている週末のことだった
この日は静岡県に台風12号が接近しており、あと5~6時間もすると
大荒れとなる気象予報が発令されていた

それでも気温は30度を越えており、暑苦しさと数時間後の
台風上陸を感じ、通りを歩く人々は足早でどこか緊張感が感じられた

そんな駅前のバス停にその男は座っていた
年は30代だろうか? まだそれほどおやじでもない
服装はといえば、何処で買ったものか聞いてみたくなるような
見たことのないラインの入ったジャージパンツに白いクタクタの
Tシャツ、裸足にクロックスの偽物のサンダルだった

清水がいくら田舎であるとはいえ、この格好で電車に乗るのには
ちょっと勇気のいる服装だと思う(彼には問題なさそうであるが)
勝手に推測したが、彼はこのあたりに住んでいるのだと思う

その彼の何処が面白いかというと、服装ではない
彼はバス停に座り、透明の瓶に入った透明の飲料を
まるで水を飲むように飲んでいたのであるが
私は彼の後ろを通り過ぎる時に、彼を軽く見た程度だったが
最初は先入観も大いにあり、ラムネか何かを飲んでいるのだと思った
しかしおやっと思い、もっとよく見てみるとそれは「上善如水」という
結構有名な日本酒の瓶であったのだ

台風を横目に駅前のバス停で、昼間から銘酒を水の如く飲んでいる
一昔前のワンカップおやじとは一線を画するスタイル
しかも一匹狼だ

頬は少し赤くなっていて笑顔というより、にやけ顔になっていた
私は、なかなかのものを見ることができ、この日は少し幸せであった

 

 

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