モリのいる場所

モリのいる場所

今年の5月に劇場公開されていた作品
その時は観るチャンスがなかったのだが
樹木希林さんが亡くなられたことで、年末のこの時期に
特別上映されていて観ることができた
全国あちこちで樹木さんの出演作が特別上映されているが
それだけ偉大な女優さんであったという証明だと思う

この映画は、画家熊谷守一夫妻の生活のある一日を
切り取ったような作品である
熊谷守一は、30年間もの間ほとんど家の外に出ることなく
自宅の庭の生命を見つめ作品を描き続けたという
山崎努が演じていたが、正に仙人のような風貌であった

そしてその守一と生活を共にした妻の秀子を樹木さんが
演じているが、本当の夫婦かと思えるほど違和感がない
改めて演技を見てみると、ほとんど「素」と思えるほどの
さりげなさである
もはやそれは名人の域であるか、普段の生活と同じ
精神状態で演じているかのどちらかだと思うが
最も難しいことを、さらりとやっているように思える
改めてすごい女優さんだったと思った

モリの家に集まる大勢の人々を見ていると
何だかホッコリとした気持ちにさせられた
そしてさりげないのだが、面白いシーンが満載であった
天井上からブリキのたらいが落ちてきたシーンには、かなり驚いたが
いつもユーモアの精神を忘れない沖田修一監督らしいということで
一応納得した

守一が虫や魚や植物をじっと見つめるシーンは、興味深かった
画家の目と好奇心の目のどちらで見ているのだろうか?
この人の場合は、両方であったのでは?などと、思った

私も今度蟻が歩いていたら、二番目の足から歩き出すかどうかを
観察してみたいと思う

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