運命は踊る

運命は踊る

ベネチアで金獅子賞を受賞したこともあるイスラエルの
サミュエル・マオス監督作品
本作は、第74回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を
受賞している

そういったことなので、大変評価の高い作品であるが
私には本作が傑作であるのか解りかねる作品であった
そして、このような構成の映画を観るのは
だぶん初めてだったと思う

目新しいところを挙げるとすれば、物語のシーンが
明確に3つに分かれている点である

最初のシーンは、高級マンションに暮らす夫婦のもとに
兵士として戦地に行っている息子が戦死したと知らせが来る
夫婦とも気が動転し、何も考えられない精神状態になってしまう
しかしお騒がせな話で、数日後戦死は間違いだったという
知らせを受けるのだった
夫は怒り、役人に「今すぐに息子を返せ!」と怒鳴る
妻は怒る夫をなだめるところで切り替わる

ふたつ目のシーンでは、息子の出征先の映像である
息子ヨナタンは、戦う相手のいない前哨基地の検問所に居た
たまにラクダが通過するようなあまり緊張感のない場所で
どこか間延びした時間を過ごしている
そんなある日、若者たちの乗る車を取り調べするのだが
ちょっとした判断ミスからヨナタンは、その若者たちを銃殺してしまう
後日ヨナタンだけ戦地から戻ることになり、迎えの車に乗り走り出した

最後のシーンは最初の高級マンションのシーンだった
疲れ切った夫婦が映されている
妻が激しく感情をぶつけ、それに夫は言い返さないし
自身を責めたりしていた
それもそのはず、夫がすぐに返せと言ったヨナタンは
移送中の交通事故により死んでしまったのだ
やがて、悲しみをぶつけ合うだけだった夫婦の間にも
少しだけ安らぐ気持ちが出てくるのであった

そんな3つのシーンから作品が作られている
確かにこの作品の中にはタイトルである「運命は踊る」が
表現されている
不条理も運命と思い、受け止めるしかないのだろうが
やはりそこにはやりきれなさを感じてしまう

3つのシーンの中で、戦地が一番のんびりしている点にも
何かしらのメッセージ性を感じた

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