暁に祈れ
この作品もボクシング(正しくはムエタイだが…)を題材とした作品
ビリー・ムーアの自伝小説を映画化した作品だが
取り上げている題材が題材だけにインパクトのある作品だった
このビリー・ムーアというイギリス人は、タイでボクサーをしていた
自堕落な生活から麻薬中毒者となってしまっていた彼は
家宅捜索により逮捕され、タイでも悪名の高い刑務所に収監されるのだが
その刑務所内での話が映画となっている
この映画何だかとてもリアルに感じるのだが、それは囚人たちに
至近距離で張り付いたカメラの映像だけが理由ではない
映画の舞台は実際に使用されている刑務所で
エキストラの囚人も実際に服役経験がある人間ばかりだという
更には、主人公と同じく更生プログラムでムエタイ・クラブに
在籍する囚人達が、劇中で世間話のように語る服役理由は
実際にエキストラ役の囚人が犯した罪だというからビックリだ
汚職は当たり前の刑務所内では、タバコや麻薬などは簡単に手に入る
そして殺人、レイプなども当たり前のように起きている
刑務所内で殺されるのだからたまったものではないのだが
囚人たちの風貌を見れば、それも簡単に納得がいってしまうのだから
恐ろしいことだ
そんな中、刑務所内に新たに設立されたムエタイ・クラブに
入ることによって少しだけビリー・ムーアが良い方向に向かうところが
ほんの少しの救いのような作品だった
本当に救いようのない世界だ
この作品、私には臭いが伝わってくるような作品だった
狭い部屋の体が触れ合うようなスペースで寝ている囚人
ドアも無いむき出しのトイレ、そして独房の湿った部屋と
共同の水浴び場
全てに臭いを想像してしまうような印象的なシーンだった




