この女 森絵都
関西が舞台の小説
この小説の舞台である釜ヶ崎という地名は今はないという
現在はあいりん地区と呼ぶみたいである
私はこの場所を訪れたことはないのだが
静岡に住む私でもここのうわさは聞いたことがある
日雇い労働者の街で、ホームレスとそしてそのホームレスと
見分けがつかないような労働者が路上に寝ているという
そんな人々が、寒さや暑さで路上で死んでいることもあると聞いた
これらの話は、関西人が尾ひれをつけている話なのかもしれないが
それでもネットなどで街並みを見ると、ドヤ街のように低層で
古い建物の建ち並ぶ感じに見えた
そしてゴミや不要物が道を塞ぐ場所を人がごちゃごちゃ通行していた
この小説の主人公である礼司は、25歳と若いのだが訳ありで
ボロボロな状態で、釜ヶ崎に流れ着いた
そしてそこで「釜の松山」という人物に助けられ
立ち直り、釜ヶ崎に住み日雇いで働いていた
一応、毎日安宿に寝泊まりしているから
日雇い連中の中では、まだちゃんとしている生活だ
ある日、知り合いの大学生である大輔から礼司は意外な仕事を依頼される
その依頼とは、ある実業家の妻である結子をモデルにした
小説執筆を依頼されるのであった
どうして礼司は大輔を知っていたか?そして何故礼司にそのような
執筆依頼があるのか?だが
大輔は変わった奴で、大学の課題のために実際に釜ヶ崎で日雇いを
したことのあった
その時、礼司がいろいろと彼を世話をしたことで二人は知り合ったのだ
小説の執筆依頼についても大輔がきっかけとなっている
釜ヶ崎で働いたのはよいのだが、結局課題を何も書けない大輔の代わりに
礼司が大学の課題のレポートを書いてあげたのだ
そしてそれが教授に絶賛されたことが依頼のきっかけになってしまったのだ
礼司は結子の小説を書き始める
結子は最初デタラメしか話さなかったのだが
少しずつ現実から過去が見えてくる
更に時間が経つと、徐々にだが結子が自身について話をするようになった
そして、どうして実業家が小説を依頼したか?も見えてくるのだった
これまで10冊以上森さんの本は読んでいるのだが
この本はこれまでの本と全く趣が違っていた
スピード感があり、全く予測不能の話なので
読んでいる間ずっと話の中に引き込まれていた感じだった




