ゴッズ・オウン・カントリー
「神の恵みの地(ゴッズ・オウン・カントリー)」と呼ばれる
イングランド北部ヨークシャーを舞台に、2人の若者の同棲愛を
描いた作品である
私は、このジャンルの映画は普段ほとんど観ることがないのだが
この作品は、ベルリン国際映画祭をはじめ世界各地の映画祭で
高評価を獲得していることと、静岡県内では上映は1館のみで
しかも上映期間が1週間程度の短期間だった
チャンスが限られていたことにも後押しされたと思う
監督のフランシス・リーはこれが映画初監督作品になるという
自身ヨークシャーで育ち、実家は農場を営んでいたというから
この映画の設定と同じである
監督の父親の営む農場は、この映画の撮影場所から10分ほどの
場所なのだという
撮影は春のヨークシャーで6週間にわたって敢行された
さすがこの場所を知り尽くした監督である
何処か閉塞感はあるが、広大で圧倒的な自然美には引き込まれる
そしてそこでの酪農の仕事の大変さも観る側に伝わってきた
羊や牛の生死もどこか神秘的で、ドラマチックに感じられた
「この目で見て感じた世界を描写したかった」と語る監督自身の
バックグラウンドにもとづいて表現されているというが
その思いは十分伝わってきた
ストーリーは、年老いた祖母と手足の不自由な父と暮らすジョニー
文字通り大黒柱となり、経営難の牧場を切り盛りしている
友人たちは田舎に別れを告げ、都会に出ていくがジョニーは
仕事と家族に縛られここに残るしかない
そんな孤独な労働の日々を酒で紛らわすしかない日々を送っている
仕事こそ何とかしてはいるが、荒れた毎日である
そんな時、父親の依頼でルーマニア移民の季節労働者ゲオルゲが
羊の出産シーズンを前に、ジョニーの手伝いとしてやってきた
はじめのうちは衝突の多い2人だったが、次第に恋に落ちるのだった
ゲイの映画ということで、私は何処かに悪い先入観を持っていたのだが
鑑賞すると、ストーリーも映像も綺麗で驚いた
やはり観ず嫌いは良くないと反省させられる映画であった




