ちいさな独裁者
ハリウッドでメガホンをとることの多いロベルト・シュベンケ監督だが
この作品は監督の母国であるドイツの話をドイツで撮った作品である
本作はいわゆるナチス映画であるが、これまでに膨大な量の
ナチス映画が存在しているし、現在でも毎年何本か新たな映画が作られている
正直ナチスものはもういいかな?と思ったりもするのだが
焦点やストーリーが違うので、結局毎年何本かは観てしまうのだ
ナチス映画の数は、それだけの数の映画ができるほどの事が
当時起きたという事実でもあると解釈することもできると思う
この作品だが、ある一人の脱走兵に焦点を当てた
いわゆる王道のナチス映画とは、ちょっと違う作品だ
実話が基になっている
時は第2次世界大戦末期のドイツ
敗色濃厚なドイツでは、兵士の軍規違反が続発していた
命からがら部隊を脱走したヘロルトは、逃走の途中に
側溝に落ちたくるまを見つける
あたりには人の気配はなく、その車の後ろ座席には
真新しい大尉の軍服があった
彼は迷うことなくその服を着用し、それから大尉になりすました
なかなか弁の立つ彼は、道中で出会う兵士たちを言葉巧みに騙す
大尉の服がそうさせるのか度胸も満点なのだ
次々と味方を増やし、そのトップに君臨するのだった
やがて彼は更にエスカレートし、気に入らない人間を次々と
殺していくのだった
自身も脱走兵であるのに、脱走兵を皆殺しするシーンはとても
いたたまれなかった
しかも、命令を遂行できずに躊躇している部下をわざわざ名指しして
殺させる点も陰湿極まりなかった
軍服を換えただけで、人の中身がまるで変わってしまったのだ
誰にでも大なり小なりこのような傾向は起こりうるのかもしれない
ある意味、警鐘として反面教師的に観る作品かもしれない




