荒野にて

荒野にて

2017年のイギリス制作映画
イギリス人映画監督であるアンドリュー・ヘイの監督作品である
この監督の前作の「さざなみ」は観たが、シンプルなストーリーの中に
奥深いメッセージを感じる作品であった

「ゲティ家の身代金」で誘拐される大富豪の孫を演じた
新星チャーリー・プラマーが本作で主人公チャーリーを演じているのだが
15歳の少年の心の明暗を見事に演じきっている
彼は本作で第74回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞
(新人俳優賞)を受賞した

この映画、原作はアメリカの作家 ウィリー・ヴローティンによる
2010年の同名小説だというが、映画を観終わった時にとても
原作小説を読んでみたくなった
この映画の出来が素晴らしいことは当然だが、原作の空気感が
知りたくなったことと、少年が馬と荒野を歩くシーンを
どのように文章で表現しているか?が、とても知りたくなった

何の準備もせず、何も考えず感情の向くままに逃げ出したり
行くあてもなく旅をしたり出来ることは、若者の
特権であることに気づかされる
大人になると計算や不安が先にきて、一歩も歩けなくなっていくのだと
思い知らされた気がした

映画の中で少年が無銭飲食をして捕まるシーンがあるが
その時に少年をわざと見逃してあげるウェイトレスが登場する
アンドリュー・ヘイの監督は本作のインタビューで

「犯罪を犯してしまった人と接するときには、彼らが
なぜそうしてしまう必要があったのかを理解することが大切だと思っています。
あのウェイトレスは、チャーリーが非常に困難な状況にあることを
理解して思いやりを示しています。
とても重要なシーンだと考えて脚本を書くときにここを最初に書きました。」
と答えていた

社会のルールも大切だが、事の核心を重要視するあたりは、ケン・ローチ監督や
アキ・カリウスマキ監督に似たテイストを感じた
アメリカを舞台にしてはいるが、細部からは紛れもなくヨーロッパ映画で
あることが伝わってきた

私の大好きな名優スティーヴ・ブシェミがいつも通りいい味を出していた

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