骨と十字架
作 野木萌葱、演出 小川絵梨子の舞台
どのようなストーリーか?全く前知識がないまま鑑賞した
野木さんの作品を観るのは初めてだったが、「パラドックス定数」での
ご活躍は薄々知っていたし、史実を大枠とした見ごたえある正統派の
社会劇がお得意だとは知っていたので、ようやく観ることができてうれしかった
観劇中は、解決なき問題を必死に解いていたような気分と
観終わってからは、その問題から解放された一種の心地よさと
かなりの疲れを感じた
そして野木さんが社会派劇作家と呼ばれる理由も充分に伝わってくる
作品であった
前知識が無くてもどんな感じのストーリーかは理解できた
私にとって演劇っていうものは、きっちりと理解できないものなので
このくらいの理解度が実は一番心地よいのかもしれない
でもこのストーリーの主役であったフランス人のカトリック司祭であり
古生物学者・地質学者のピエール・テイヤール・ド・シャルダンは
実在した人物なので調べてみた
復習をしたのである
自分自身が一番驚いたのだが、彼を調べてみると読んでいくうちに
演劇内のセリフやシーンが脳裏を回想するのだ
そして実際に観劇した時より理解度が数段増すのがよくわかった
きっとこの後もう一度観劇したらもっともっと面白いのだとわかった
宗教と学術の間に挟まれたテイヤールの苦悩は計り知れないものだったのであろう
彼は学者としても非常にまじめだったみたいで中国、インド、ビルマ、ジャワ
そしてアフリカと熱心に研究に出かける
そしてそこでの発見が、宗教と学術の教えの出発点を乖離させていくのだった
このテイヤールさんの主張した進化論は、宗教的にも科学的にも
受け入れられないものであったようだが、この不条理さも
この人演劇向きだなぁ~と思ってしまった
最後に上演時間であるが、1幕65分、休憩15分を挟み2幕35分と
少し変則的な時間であった
役者さんやセットの関係もあると思うが、私は通しでやったほうが
観やすいと思った




