YUKIGUNI
私はあまり飲むことがないのだが「雪国」というカクテルがある
正直スタンダードカクテルかというと、私的にはまだそこまででは
ない気もするが、何万種類もあるといわれるオリジナルカクテルの中で
次にスタンダードカクテルとなりうるくらいの認知度であることは
間違いないだろう
このドキュメンタリー映画はその「雪国」を生み出した
日本最高齢の現役バーテンダー・井山計一の半生を描いている
この映画劇場公開は今年の1月だったが、静岡市では公開されたなかった
私は諦めかけていたのだが、うれしいことに最近になって熱心な何人かの
働きかけで静岡市で1回限りの上映会が開かれた
会場では現役バーテンダーが、カクテル「雪国」を作ってくれて
特別価格で楽しむことができたりとうれしいサービスも行われていた
山形県酒田市にある井山のお店「ケルン」
撮影当時92歳の井山の日常に密着し、関係者や家族の証言を交えて
井山計一というバーテンダーと彼の代表作「雪国」についてを
掘り下げている
昭和34年の壽屋(ことぶきや)主催の全日本ホーム・カクテル・コンクールで
グランプリを受賞した「雪国」にまつわる秘話やお世話になった人の話
そして仙台でのキャバレーでの修行時代の生活が苦しかった話など
懐かしそうにそして穏やかに話されていた
その中でキャバレー修業時代に奥様に苦労をかけた話を涙ながらに語られた
シーンはとても印象深かった
私は壽屋がサントリーの前身だったことも知らなかった
井山さんを見て私がまず思ったのは「いい顔をしている」ことだ
井山さんに比べたら小僧ような私が偉そうに言えたことではないのだが
全体穏やかな中にも硬い意志と時折見せる鋭さを持った顔つきは
自身を厳しく律し、そして他人に思いやりを持って接してきた人の
顔つきである
井山さんは自ら「私は日本一幸せなバーテンダーです」と言う
この謙虚な姿勢は私も見習わないといけないと強く思わされた
映画の監督である渡辺智史さんはインタビューで、この映画のテーマは
切り絵作家であった故成田一徹さんの格言「BARは人なり」ですと話していた
本当にテーマ通りの作品だと思った




