僕たちは希望という名の列車に乗った
2018年ドイツ映画
前作「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」が恐らく
監督デビュー作であったラース・クラウメ監督の最新作だ
私はこの前作も観ているが、スリリングで大変面白い作品であった
本作も戦時中のドイツにまつわる話である
時代は1956年の東ドイツのある高校が舞台である
そして実話を基にしている作品である
当時のドイツは既に冷戦下で、東西分断していた
とはいってもまだベルリン市内の境界線の往来は
比較的自由であった頃である
しかしながら徐々に東側から西側への人口流出が顕著に
なり始めていた時期ではあった
後の1961年8月には、あのベルリンの壁の基になる
有刺鉄線が張られ、東西は完全に隔離されることになっていく
東ドイツの高校に通うテオとクルトは、西ベルリンの映画館で
ハンガリー事件のニュース映像を見た
そして彼らは、ソ連軍の武力行使に反ソ・反政府を求め戦う
ハンガリー市民の姿勢に共感した
多くの若者が参加した事件であるので、政治的というよりは
純粋に自分とあまり変わらない年のハンガリー市民の勇敢さに
感動したのだと思う
ある日の朝学校でテオとクルトはこの事件を級友たちに伝えた
そして呼びかけを行い、授業中に2分間の黙祷を実行した
この行為がその後の彼らの人生を大きく変えてしまうのだった
決して深い意味で行ったわけではないと思われるこの「黙祷」が
ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは、社会主義国家への反逆と
見なされる行為とされてしまったのだ
黙祷の事実を知った国家権力が、使者を使い誰が主導したか
ネチネチ個人面談で質問するのだが、これがまた嫌な奴で
そしてやり方が陰険で、観ている私まで取り調べを受けている気分だった
こういった犯人捜しのやり方はどこの国も似たようなものだと
変なところで納得させられた
ラストで彼らが起こした行動を見て
この映画のタイトルの意味がようやくわかったのだが
どちらを選んだとしてもその後の将来は
大変な道になるだろうと感じられた




