見える自然/見えない自然 ロイス・ワインバーガー展
オーストラリア出身のアーティストであるロイス・ワインバーガー
彼の作品展がワタリウム美術館で開催されている
普段から雑草のような植物に興味を持つ私にとって
このアーティストの作品は、制作意図や思想がよく理解できる
そして単純に「自然」と言っても全く違う意味があることに
気づかせてくれる
彼にとって大事なこととは、目に見える自然(緑)と、目に見えない
自然とを区別することだという
この目に見えない自然とは、内在する活力や精神の自然であり
彼はこの目に見えない自然を見に見える自然を使って
構築しているのである
言葉にするとややこしいが、作品を見るともっとわかりやすいと思う
彼が1980年代から注目していて、彼の多くの作品に登場する
見える自然に荒地植物がある
もっと簡単な言い方をすれば「雑草」となるだろう
ゴミ捨て場やコンクリートの隙間からでも高い生命力で繁殖する
これらの雑草はある意味、人間の作り上げたものに反抗するかの
ようでいて、目に見えない自然を表現する恰好のパーツとなりうるのだ
ポータブル・ガーデン(持ち運びできる庭)という作品では
別の場所から運ばれた土が、カラフルなバックやバケツに
入って置かれている作品である
時の経過にしたがってバックやバケツは朽ちていき
最後はそこにあった土と一体化する
そこでこの作品はなくなってしまい、作者は消えてしまうというものだ
これらの運ばれた土は、徐々に新しい土地に馴染んでいく
時間の経過によるこの循環を、昨今の移民問題にも重ねてもいるのだ
コンセプトを持って荒地を作るって私にはとても面白いと思うし
クールだと思う
雑草を見ると無性に写真を撮りたくなる私にとって彼の作品は
親近感が持てるような世界観であった




