人生をしまう時間(とき)
元々はNHK BS1で放送されたドキュメンタリーだという
私はこの番組は見てないのだが、放送後大変大きな反響があり
日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞したという
そのドキュメンタリーに新たなシーンを加え、映画化されたのが
この作品である
だから出演者は全てが一般人であるし、演技もしてない
在宅医療チームの職員と患者とその家族の普段の生活と会話が
続いていく作品である
きっと同じような職種の人が見たら驚きは感じないかもしれないが
医療や介護にほとんど知識のない私にとっては
多くのシーンが初めて見るシーンなのでビックリしたし、新鮮だった
現場の大変さに驚くと共に、人間がもっとも弱くなった最後の最後に
手を差し伸べてくれるこの人々の職業にリスペクトを感じずにはいられなかった
映画の中では2人の医師の診察が中心になっている
ひとりの医師は、80歳になる小堀鷗一郎医師
東京大学医学部付属病院第一外科を定年してから在宅医療に携わっている
明治時代の大文豪であった森鷗外の孫だという
もう一人の医師は、堀越洋一医師
アジア、アフリカ、南米などで医師活動を行った後に在宅医療に携わった
この二人に密着し、在宅治療の現場を撮影しているのだが、その診療の
様子を見れば、きっとほとんどの人が、素晴らしい医師だと思うだろう
私が印象に残ったシーンは、小堀医師が自身の過去と今を語ったシーンだ
東大での外科医時代は機械のように技術だけを研鑽し、患者との
繋がりを持たなかったが、今は患者一人一人と向かいあっている
確かこんな内容の話であったが、端的だが深い言葉だと思った
そして堀越医師が自身の担当患者が亡くなった時に看病した親族に
語られた言葉の暖かさには、大変心を打たれた この医師が見えた気がした
映画に出てくる患者は認知を含め、治る見込みのない患者ばかりなので
どこか悲観的に考えがちになるが、でも、その中にも笑いありジョークあり
ちっぽけだけど、とてもとても素敵な暖かい空気が感じられた
希望が持てなくても絶望的に考えてばかりではいられないことを
改めて感じさせてもらえた




