残された者 北の極地
この作品を観終わった時に私は衝撃を受けた
まず登場人物もセリフも極限までに少ない
そして場面もほとんど変わり映えしない白一面の雪景色である
この設定でこれほどの映画を作ってしまうことに
まずその事実に驚かずにはいられなかった
男が一人雪景色の中にポツンといるところから映画が始まる
近くには翼の折れた小さな飛行機があるだけだ
映画の中では、まるで説明が無いのだが
想像通りということだろう
必要最低限の配慮だが、この按排が絶妙なのだ
しばらくはこの遭難した男が、手持ちの道具を使って
知恵を絞り、生き抜くサバイバル生活が描かれていく
SOSの文字を空に向かって書き、釣りをして食糧を得ている
たくさん釣れた時は非常用に保管をしていた
そして無線のようなものを使い、毎日何度か助けを求める
段々男の生活パターンがわかってくると、セリフが
ほとんどないこともあって、私はコクリコクリと
し始めてしまったのだが、そんな私を見ていたかのように
展開が大きく変わり始めるのだった
ここの間も絶妙だと思わされた
途中の展開は観てのお楽しみだということにしないと
スペースがなくなってしまうので、ここからはあらすじは書かないが
もう駄目だろうと思えるけが人を連れて過酷な旅に出た男が
最後までこのけが人に寄り添って歩く姿に優しさという言葉では
現わせない愛情を感じた
ここまでセリフが無くてもしっかりと伝わってくる
こんな感覚は私も初めての経験かもしれないと思った
主演の男をデンマークの人気俳優マッツ・ミケルセンが演じている
そして監督は、なんと本作が長編映画デビューとなるブラジル出身の
ジョー・ペナという人物である
そしてこの人、ちょっと経歴が面白くて監督の前はミュージシャン兼
YOUTUBERだったらしくオモシロ映像を作ることから始まって
のちにCMや映画にステップアップしていった人だという
デビュー作がこの作品とは、才能は計り知れない




