小説の散歩みち 池波正太郎
池波正太郎といえば鬼平犯科帳などの時代物で有名な作家だ
恐らく多くの人は時代物のイメージが強いと思う
しかし、私の場合は、どちらかというと時代物以外の本を
たくさん読んでいるためかエッセイや映画などを書いた作品の
イメージのほうがどうも強い
そんな中で特に食べ物についてのエッセイが面白くて
そして、美味そうで好きである
以前、馴染の居酒屋で偶然会ったあるお客さんと
池波正太郎の食べ物について書かれたエッセイの話で
盛り上がったことを思い出す
このおじさんは、私などよりずっとコアなマニアで
池波さんのエッセイに出てくるお店で現存しているところを
実際に巡る旅をしていると言っていた
実にうらやましい話だったので、よく憶えている出来事だ
この本もそんなエッセイがたくさん詰まった作品である
時代物の大家といわれた池波さんの私生活や少年時代の話
さらには、下積み時代の話や自身の作品が誕生するきっかけとなった話
そしてもちろん食べ物や生き方についてなど
本当に広範囲について書かれている
リラックスした話が多いのだが、その文章を読んでいくと
池波正太郎の信念のようなものが浮かび上がってくるような感じがする
そして人間の器の大きさも感じられる
私はもう一つ勉強させてもらっているのは
エッセイのような短文の書き方である
どうしたらわかりやすくて、気の利いていた文章が書けるか?
を気にして読むようにしているのだが
当たり前だと思うが、いつまでたっても池波さんの文章のようには
ならないのである




