オリ・マキの人生で最も幸せな日
この作品、あるボクサーの実話を基にした作品だという
そして2016年・第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で
作品賞を受賞している
ボクサーの実話であるのに、恋愛映画であるところが「ある視点」
なのである
オリ・マキという人を私は知らなかった
フィンランドで初めて開催されたボクシングの世界タイトル戦で
格上のアメリカ人と対戦したフィンランド人プロボクサー
これだけ書くと偉大なファイターのようなイメージを与えてしまうが
映画での彼は、田舎者の気さくな若者そのものであった
そして自身プロの意識は低く、アマチュアの戦歴が長かったため
プロの興行システムがよくわかってないし、意にそぐわないことは
やりたくない人間だった
そんな彼が世界タイトル戦が決まった2週間前にライヤに
恋をしてしまい、練習にも身が入らなくなってしまう
フィンランド国中がオリに期待し、周囲が勝手に盛り上がる中
肝心のオリは別のことで頭が一杯になってしまうのだった
人間割り切って生きれる人もいれば、そうでない人もいるということだ
良い意味でいえば、オリは自分の気持ちに正直な人間だと言える
一方では、この興行を企画したマネージャーにとっては
たまったものではない話だ
一生懸命練習し、負けるのならまだわかるのだが、恋愛に気持ちを
持っていかれて負けるなんて想像したくもない話だろう
只、オリを見ているとライヤの存在があったから
タイトル戦のリングに上がれたようにも思えてくる
タイトルの「人生で最も幸せな日」は、悲しくも
「世界戦が人生で最も幸せな日だと言えるように頑張れ」と
いうマネージャーのセリフに由来するらしい
肝心なオリはその日、ライヤへの婚約指輪を買いに行ったので
オリとライヤにとって最も幸せな日にはなったのである
それぞれの立場により視点を変えてみると楽しい作品だと思う
60年代の空気を再現するため、全編モノクロ16ミリフィルムで
撮影された映像も映画に合っていたし、懐かしい雰囲気があった




