行き止まりの世界に生まれて

行き止まりの世界に生まれて

昨日ここに書いた「mid90s  ミッドナインティーズ」と
ほぼ同時期に、この作品も鑑賞した
どちらもスケボーをする若者を通して時代が見えてくるような作品である
私にとってどちらの作品も、予想以上に素晴らしい作品であった

「mid90s」は、1900年代のロサンゼルスが舞台だったが
この作品は2000年代のイリノイ州ロックフォードが舞台である
そして「mid90s」は、半自伝的な作品だったが、この作品は
ドキュメンタリーである
さらにこの作品、第91回(今年の)アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門に
ノミネートされていた作品である

監督はビン・リュー
自身もロックフォードで育ち、主要な登場人物としてこの作品に登場している
この作品の最大の特徴は、小さな町に住む若者3人(自身も含む)の
リアルな12年間を描いている点だろう
ビン・リュー監督は、当初映画を撮ろうとしてなかったと思う
興味本位で仲間のスケボー動画を撮っていたように感じる
だから撮る側も撮られる側にもまったく緊張感がない
それどころか映画の中の言葉は、芝居のセリフではないので全く嘘っぽくない

撮影地がイリノイ州ロックフォードであったことも作品の価値を
高めていると思う(ただ住んでいた町だったという理由でこの町を撮ったのだが…)
かつて鉄鋼や石炭、自動車産業で栄えていたが、現在は衰退し“全米で最も惨めな町”と
称される人口15万人の小さな町
この町の12年間が作品の中にしっかりと収められている
記録的な要素も興味深いのだ

ここからになったが、突然あらすじを簡単に…
ロックフォードに住む貧困と暴力が日常の家庭で育った3人の若きスケーターを
12年間追いかけた作品である
3人はアジア人、白人、黒人と人種も様々なスケボー仲間だった
3人とも最初は、スケボーに逃げてるようなところもあったが、12年の間に
家庭を持ったもの、家を出て自活したもの、親と和解したものと
皆それぞれ成長していった

この作品にはドキュメンタリー作品の良さが凝縮されている
12年間の間に仲間が、自分がどう変わっていったか?
故郷ロックフォードがどのように変わったか?が、説明不要で
観る側に伝わってくる
「事実は小説より奇なり」とは、よく言ったものである
とても正直でストレートな作品である

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