海にかかる霧

海にかかる霧

2014年制作の韓国映画である
「パラサイト 半地下の家族」で一躍世界の映画界で有名人となった
ポン・ジュノが製作を務めている
そしてポン・ジュノ監督作「殺人の追憶」で監督と共に脚本を担当した
シム・ソンボが監督を務めている作品である
2015年アカデミー賞外国語映画賞の韓国代表作品に選出されている

この紹介だけでも期待を持てる作品だと思うが
更に最近(2020年9月)のニュースで、米パーティシパント・メディアと
ポン・ジュノがタッグを組み、この作品をを新作映画としてハリウッドで
リメイクすることが決まったようである
ポン・ジュノにとってもそれだけ思い入れが強い作品なのかもしれない
公開されれば、大きな話題になるだろう

この作品は、2001年に韓国で実際に起こった「テチャン号事件」を
題材にした舞台劇「海霧(ヘム)」の映画化である
主演の船長を演じたのは、私の好きな俳優の一人である韓国を代表する
実力派俳優キム・ユンソクである

ストーリーは極めてシンプルである
シンプルだからこそ、状況の変化や感情の変化が、よりリアルに
伝わってくるような作品だと思った
そして先のストーリーが全く読めないことも全体を包む霧と同じように
正常でない緊張感を生み出していた

不況にあえぐ漁船・チョンジン号の船長は、自身と5人の船員たちの
生活のために、中国からの不法入国者を運ぶという闇仕事に
手を出すことを決めた
沖合いで密航船と合流し、密航者を乗り込ませてから指定した場所まで
運び届けるといった、決して難しくないはずだった仕事なのだが
海上警察の調査や、周囲を包み込む霧に阻まれ思いもよらない事態に
陥っていくのだった

視界を遮る霧、獣のような乗組員、若い女の不法入国者、その女に恋する
気弱で優しい乗組員、絶対に逆らえない船長、そしてその他の不法入国者
これらの様々なベクトルが船内という陸から隔離された密室で
どのようになっていくかを観察している気分だった
そして時間の経過は、物事を全て悪い方向に導くことだけは、船に乗る皆も
だが、観る側だって理解できていた
やがて船は沈没するのだが、後半の船長の狂気は見ごたえあるものだった

個人的には船が沈んでからのシーンは必要無いような気がするが
パラサイトでも私は最後がちょっとおまけのような気がしたので
こういう感じがポン・ジュノの終わり方なのかもしれない

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