藁にもすがる獣たち

藁にもすがる獣たち

2020年制作の韓国映画である
韓国が得意とするクライムサスペンスものである
このジャンルで韓国の作品には大変面白い作品が多いこともそうであるが
特にこの作品に関しては、日本人作家 曽根圭介の小説を
映画化した作品であるということもあったため、強く興味を持ち鑑賞してみた
曽根圭介さんについては失礼ながら全く知らなかったので調べてみると
今も現役の作家で、何と静岡県沼津市出身の人だった

まずストーリーの構成が素晴らしい
いくつかの別の話を徐々に関連付けしていき、最後にはその全てを
一つのストーリーに繋げるというストーリーである
これは映画では、特に珍しいものではないのであるが
鍵となる10億ウォンの入ったルイ・ヴィトンのバックも印象的だし
このバックにまつわるストーリーの関連付けも面白いし、無理なく
そして自然であった

出てくる人物は全員がお金に本当に困った人もしくは
お金が大好きで、損させられるのが死ぬより嫌という
異常なまでにお金に執着した人である
そんな人たちが10億ウォンのバックの争奪戦を繰り広げていく

いくつかのストーリーの中で私は、夫の暴力に苦しむ主婦ミランが
勤め先のクラブの経営者であるヨンヒの手により落ちていく様に
最も恐怖を感じた
一人殺してしまったらもう何人殺しても同じという世界まで
とんとん拍子に落ちていってしまった
ヨンヒを演じたチョン・ドヨンの存在感が光っていた

最後のシーンで偶然にも最初の銭湯のロッカーで見つけた男の
妻に見つけてもらった10億ウォンの入ったルイ・ヴィトンのバック
ここまでくるとバックと金に強い呪いが掛けられているのでは?とさえ思えてきたりした

この作品を鑑賞した曽根さんも映画の出来を絶賛してしたというが
私もお金と人間の間に存在する理性と建て前と本性がリアルに表現できた作品だと思った
大金を追いかけるあまりに最も大切な自身の命を失ってしまう
外野で見ている人からは愚かで滑稽な姿に見えるが、もし自分が同じ立場だったら?
と考えると笑えない人は多いと思う
そして私は間違いなく笑えないほうの人間であると思った

ボスの用心棒だけがお金のために動いてなかったことが理解できなかったが
彼は殺人マニアという病気の人と理解することにさせてもらった

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