「間もなく」と「いましばらく」

「間もなく」と「いましばらく」

12月中旬の金曜19時頃のことだった
私は帰宅途中の電車に乗っていたのだが、その電車が私の降りる駅の
5駅ほど手前で緊急停止してしまった

停止の理由は先を走る電車が異音を聞いたため、上下線とも
安全確認を行う必要があるためだという
それなら仕方ないと思うしかない私たち乗客は、なすすべもなく
動き出すまで石のようにじっとしていた

5分ほど経った時に車内アナウンスがあった
「確認が終了したので、間もなく発車します」という内容だった
金曜の帰り時間ということもあり、割と早い発車に多くの人が
胸をなでおろしたことだと思う
何年ぶりかの忘年会に向かう人も中にはきっといたと思う

そこからは「発車はそろそろか?」と期待しながら待っていたのだが
5分経っても一向に電車は走らないし、その後の説明もない
結局10分以上経過してからようやく車内アナウンスがあった
「確認をしているので済み次第発車します」という内容だった

さっき確認が終わったと言っていたのに話が後ろ向きに
変わってしまっていることに、私を含めた多くの乗客は
口には出さないが、かなり落胆したと思う

がっかりしながら待つこと10分ほど
それからしばらくして再度車内アナウンスがあった
一度正確でない情報を聞いていることもあり
「今度は何と言うだろうか?」と聞き耳を立てていると
「確認が終了したので順次走り始めるから間もなく発車する」ということだった

それから間もなくして
そろそろ立っているのに疲れ始めててきた時、今度は駅構内の
アナウンスが聞こえた
内容は反対車線の電車が動き始めたので、15分程して駅に着くから
「いましばらくお待ちください」といったものだった

結局その後10分以上待ってから私の乗った「間もなく号」は走り出したのだが
もう3分も遅れたら反対車線の「いましばらく号」が到着してしまうところだった

「間もなく」は隙間がないことを意味するので、かなり短時間の時に使われる言葉である
聞くほうも大体そんなイメージで聞いているので、期待してしまうのだ
いいかげんな情報だったり、間違えた言葉の使い方は
聞き手を疲れさせたり、不安にさせてしまう
私も疲れ気味の中、反面教師にしなくてはいけないと思ったのだった

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