ファースト・マン
丁度去年のこのくらいの時期に話題作であった「ラ・ラ・ランド」
惜しくもアカデミー賞の作品賞は獲得できなかったが
とても良い作品だった
そんな「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督が
主演ライアン・ゴズリングと再びタッグを組んだ作品が本作である
この監督はミュージシャンを志していた時期もあったという
それだからなのか、前2作品「セッション」、「ラ・ラ・ランド」は
音楽を題材にしている作品だった
しかし、今回の「ファースト・マン」は違っていて
人類で初めて月面に足跡を残した宇宙飛行士である
ニール・アームストロングの半生を描いている
まず冒頭のシーンが印象的だ
ロケットの狭いカブセル内に、分厚い宇宙服を纏って乗り込んだパイロット
やがて打ち上げられると、爆音と共にパイロットの体がぶるぶると震え始める
カプセル内の機器も同時にぶれ始めるのだが、その振動がすごい
私はそのうち壊れてしまうのではないか?と思ってしまう程だった
この作品はそのような細部の描写が素晴らしい
使用しているロケットや操縦室の計器類、宇宙服も実にリアルだ
そしてもう一つの特徴は、NASA提供のアーカイヴフッテージを活用した
宇宙空間の映像のリアル感なのだが、とても見ごたえある映像だった
映画の作りも、ニール・アームストロング達をヒーローとして
祭りあげるわけでなく、むしろ普通の一人の人間として
描いていることで、観ている側が映画の中の宇宙飛行士の
そばにいるようなリアル感があった
そしてこのリアルな宇宙映像のおかげで、観客も乗組員に
なったかのような体験も味わうことができる
ニール・アームストロングの偉業は何となく知ってはいたのだが
彼の人間性や家族構成、そして当時のNASAの置かれている立場や
宇宙開発競争などは、まるで知らなかった
そして勇気あるたくさんの飛行士がこのプロジェクトの犠牲に
なっていたという重大な事実も知らなかったことだった
そのような興味深い事実をまるで隣で見させてもらっているような感覚で
教えてもらえた感じがした
淡々と綴られるが、深い余韻の残る作品になっている
興行的には厳しいようだが、かなり良い作品であると思う




