氷上の王、ジョン・カリー
フィギアスケートに革命をもたらした
イギリスの男子フィギュアスケート選手ジョン・カリーの
ドキュメンタリー作品
彼のスケート人生の全てが、当時の映像と友人知人の
インタビューで描かれている
私はあまり彼の功績を知らなかったので、この作品を観て
新たな発見が非常に多く、とても興味深かった
そして、当時のスケート界の勢力図や演技の主流などを考えると
ジョン・カリーが残した功績はとてつもないことだと
感じずにはいられなかった
彼が革命的だったのは、スケートスタイルにある
現在のフィギュアスケートの原型ともいえる
バレエのメソッドを取り入れた演技を、当時の
フィギュアスケートにいち早く取り入れたのである
これにより一気に競技の芸術性が増し、その結果競技自体の
採点方法や鑑賞ポイントまでもが変わっていくのだった
そして彼に関してスケートの他にもうひとつドラマチックなのは
思わぬ形で彼がゲイであることが明らかにされてしまったことだろう
1976年インスブルック冬季五輪のフィギュアスケート
男子シングルで彼は金メダルを獲得した
その時、本来表に出るはずのなかったセクシャリティが
なぜか公表されてしまった
まだ同性愛が差別されていた時代である
当然だが、常にその後の彼の人生においてゲイである事実が
付いてまわることになるのだった
金メダル獲得の後プロに転向し、念願のツアーカンパニーを設立した
そこで主役を務めながら、振付・衣装デザイン・芸術監督も兼任するのだが
ここでも彼は妥協することなく、オーケストラの生演奏にこだわり
自身の芸術表現に没頭していた
映画内には、カンパニーの貴重な記録映像もたくさんあったが、とても素晴らしく
今見てもまるで色あせてないものであった
44歳エイズで亡くなった彼の生涯を、早送りで見させてもらった感覚の
ドキュメンタリーだったが、彼の人生そのものが正に映画のようだと思えた




