二度目の夏
この演劇は静岡公演が1日だけあり、静岡市民文化会館で公演があった
会場に行ってみると、お客さんは圧倒的に女性が多かったが
たぶんその多くは、主演を務める東出昌大さんと太賀さんの
ファンだと思われた
この作品の作・演出は岩松了さんである
岩松さんはテレビでもよく見かける俳優のイメージが強いのだが
これまでにたくさんの演劇を作・演出している
そしてこんなことを言ったら怒られそうだが、岩松さんが役者として
演じることが多い、割とはっきりした役とは対照的で実に渋くて繊細な
演劇作品を作られている
作・演出だけでなく、クセのある電気屋のおじさん役で本作に登場も
していた
本作も例外なく、そんな繊細な感情が表現された作品であった
舞台はある避暑地に建つ別荘
この別荘の持ち主は、代々続く会社を継いで六代目社長となった
田宮慎一郎(東出昌大)でこの作品の主役である
慎一郎と妻のいずみ(水上京香)は、この別荘で結婚2度目の夏を過ごしていた
仕事で帰らないことの多い慎一郎は、親友で後輩でもある北島謙吾(太賀)を
自身の留守中の妻の話し相手にと、一緒に別荘住んでもらうのだった
やがて古株家政婦の落合(片桐はいり)から慎一郎は北島といずみの距離が
近すぎると進言されるのだった
もはやこの設定自体に緊張感があった
一瞬ありえない設定にも思えたのだが、社長である慎一郎の立場や
北島との信頼関係を考えれば全くない話でもないとも思えた
そんなことを思いながら、鑑賞していた
恋愛は残念ながら全員がハッピーエンドにはならない
だから片思いや悩み、妬み、嫉妬、嘘が生まれる
最後はそれらで北島が壊れてしまったのだが
その前のシーンで別荘を飛び出した時には既に精神的な崩壊は
深刻なところまできていたのだ
私には間接的にだが、北島をここまで苦しめた慎一郎の
無神経さが一番の罪人のように感じられた
古株家政婦の落合を演じた片桐はいりさんが
この作品を支え、まとめ上げている感じがした
恐らく出演時間もセリフも最も多かったのではなかろうかと思う
個性的でいい役者さんだと改めて感じた




