萩原健一 傷だらけの天才 (文藝別冊)
ショーケンが亡くなられた後に出版された本である
この本は、ご自身が語っているというより澤地久枝さんが
聞き手となったインタビューと、あの黒澤明監督との対談の他は
ショーケンと付き合い多かった様々な業界人が、ショーケンについて
語った内容を文章化したものが主となっている本である
それら多分、ショーケンが亡くなった後に語られたと思う
亡くなったことについても語られていることからそうだろう
亡くなられてから半年後に出版されているので、時間的には可能である
ある意味ショーケンが生きているとしゃべれないことや否定的な意見も
亡くなった後であれば正直に話しやすいとは思える
そんなことで、この本自体がとても興味深い内容なのだが
その中でも特に面白いと思った章は、黒澤明監督との対談である
名前は当然知っている大監督であるが、それ以外のことは
私は、ほぼ無知識である
まだ若く、生意気な頃のショーケンが恐縮しまくっているところも
面白いが、黒澤監督の受け答えが素晴らしいと思った
投げかけられた質問に対し、端的で的確で面白い回答が返ってくる
しかも、普通の人が決して経験できないようなご自身の経験談まで
付けたりして、とても丁寧に返答していた
この対談を読んだだけでも、やっぱりすごい人だったのだな~と
今さらながら思ったのだった
ショーケンについて業界人が書かれた中では、映画プロデュ-サ-の
奥山和由さんの話が興味深かった
ショーケンのピークが「傷だらけの天使」と「前略おふくろ様」だったと
いう衝撃的な話であったが、結果論だと私も同じように思えてしかたない
奥山さん自身その頃、リアルタイムでショーケンのカッコよさに相当
しびれていたことがよくわかる文章だった
確かに間違いなくこのタイプの違う2作品の中の
ショーケンは最高にかっこよかったと思う
この鉄板2作品は、今見てもやっぱりかっこいい作品である
このブレークを機に彼は時代の先頭を走ることになるのだが
その後のプレッシャーとの戦いは、すさまじいものだったと思う
音楽仲間であった速水清司さんの話も面白かった
長い間にわたり音楽活動を一緒にやってたのだが、速水さん自身が
ショーケンを大好きだったことがとてもよくわかる内容だった
もちろん敵も多かったと思うが、身近にはショーケンが大好きな人々に
囲まれた幸せな人生だったことが伺える作品であった




