ぶたぶたのシェアハウス

ぶたぶたのシェアハウス   矢崎存美

このぶたぶたシリーズは大変人気が高いようで、この作品が
最新作であるのだが、何と31作目なのだという
このシリーズの存在は前々より知っていたのだが
かわいらしいぶたぶたさんの表紙絵が、おじさんには少し抵抗があり
私はこれまで1作も読んだことはなかった

この作品は今年1月に発行された現在の最新作である
この本を見かけたときは不思議とそれまでの抵抗は感じなかった
むしろ自分の顔ほどの大きさのおにぎりをにぎるぶたさんが
かわいらしくさえ思えた
これは、「お前も我慢などせずに、そろそろ読んでみろ!」という天からの
サインではないだろうか?と勝手に思った私は、チャンスとばかり、急いで
レジにこの本を持って行ったのだった

前知識がゼロの状態で、しかも予習もしてなくシリーズ第31作の
最新作からいきなり読むことには、多少の不安はあった 
しかし、実際読み進んでいくと、その不安は取り越し苦労で
あったことに気づかされる
どこから読んでも理解できそうなストーリーとなっており
説明も丁寧で的確なので、情景やイメージが掴みやすく
感情移入も共感もしやすかった

最初こそ主人公の山崎ぶたぶたの余計なこと(ストーリーとは別の
彼についての根本的な情報)が、気になって仕方なかったのだが
やがて初めてで、しかも最新作から読む私にそれを知ろうとしても
無理なことだと諦めた
そして彼を受け入れるしかないことを悟ると、何だか晴れ晴れとした
気持ちになってストーリーに集中できた

人間の世界にさも当たり前かのように、命を持っているぶたのぬいぐるみが
混ざり、一緒に生活しているというこの斬新な世界観
本の登場人物たちが、初めて山崎ぶたぶたに逢った時のリアクションが
そのまま読み手にまで伝わってくる感じが新しく感じられ、面白かった
そして登場人物たちが、やがてぶたぶたさんに慣れ始めると、これまた同じように
読むほうもぶたぶたさんの存在が、普通に思えてくる感じだった
登場人物と読者が、ぶたぶたさんに関して共感しているような感覚は
あまり感じたことのない感覚だった

時にギスギスしてしまう人間の世界に、この意表を突くような
ぶたぶたさんが登場することによって、弱った人を元気づけたり
傷んだ心の緩衝材になっていたりする話を読んでいくと、このシリーズの
人気の理由が理解できたのだった

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