これも五十三次 パート3

これも五十三次 パート3

静岡市東海道浮世絵美術館の展示である
パート2を観に行って、自分の近くの宿場町を見ることができたので
このパート3は観なくてよいかとも思っていたのだが、ここのところ
天気が悪く、屋外で行う予定が立たないこともあり訪れてみた

今回の展示は、藤川(愛知県岡崎市)から終点の「京」までである
前回も書いたのだが、広重が手がけた東海道シリーズの内
「東海道五拾三次」(通称:狂歌入東海道)、「東海道」(通称:隷書東海道)、
「東海道五十三次之内」(通称:行書東海道)の3シリーズを宿場ごと
3期に分け展示したそのラストの展示である

ちょっと眺めるだけでも、名物桑名の焼き蛤や
池鯉鮒という字が現在愛知県知立市の昔の呼び名だったりと
今まで知らなかった発見が結構あった

その中でも水口宿(滋賀県 湖南市)のウツクシマツは調べてみると
今も浮世絵と同じ形で、根元近くから幹が放射状に分かれて上方へ伸びていて
一般の松とは明らかに形状の違うものだった
この場所は昔から東海道を往来する人々に松の名所として知られていて
「美し松」と呼ばれていたという
そしてこの松は、1921年(大正10年)に国の天然記念物に指定されている
今でも大切に残されていることがわかると何だか嬉しく思えた

そしてこの日最大の発見は、四日市の浮世絵である
毎月四の付く日に市場が開かれたことが、四日市の名前の由来であるということも
今回初めて知ったのだが、隷書東海道に書かれた犬(シロ)の
物語は初めて知る話だった

この絵の鳥居の前に描かれている犬(シロ)は、おかげ犬である
「おかげ犬」とは、体が弱いなどの事情により
ご主人の代わりに、伊勢神宮を参詣したと言われている犬のことである
最初は近所でおかげ参りに行く人に、一緒に連れて行ってもらっていたが
そのうち犬だけで、自宅と伊勢神宮を往復するケースも出てきたようである
誰からも代参だとわかるように、犬に道中でかかるお金や伊勢参りをする旨を
書いたものをしめ縄でつけていたというのだ
こんな利口な犬がいたことを初めて知ったが、ビックリである

シロは福島県に住んでいた
昔から近所では、利口で評判だったシロだが、ある年ご主人が病に倒れ
毎年恒例であった伊勢参りができない状態になってしまった
そこでシロが代参することになったのだ
こうして旅だったシロであるが、出発してから約2か月後に
無事ご主人の代参を務め、家に戻ってきた
今でも福島県須賀川の十念寺には、代参をしたと言われている「シロ」に
まつわる犬塚が残っているという

何だかロードムービーになりそうな話だと思えた
タイトルは「ハチ」を意識して「シロ」でどうだろうか? 安易すぎだろうか?
一枚の浮世絵からこんなにも素敵な話を知ることができた

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