旅のつばくろ  沢木耕太郎

旅のつばくろ  沢木耕太郎

「深夜特急」シリーズがあまりにも有名な沢木さんだが
私は読んでない (どうしてなのか理由はわからないが…)
私が初めて沢木作品を読んだのは「敗れざる者たち」という作品だ
たぶん高校生の時に読んだと思うが、とても感動したことを
今でも鮮明に憶えている

それまでの私は、ほぼサクセスストーリーしか読んだことはなかった
この作品は敗れたものにスポットライトを当てているところが
とても斬新だったし、間違いなくもう一つの美学だと思えた
実際今、おっさんになって気付いたが、人生は負けの方が圧倒的に
多いということだ
この本は私に負けを教えてくれた最初の本だったように思う

そんな沢木さんの旅に関するエッセイを集めた本がこの本である
深夜特急のイメージから勝手に沢木さん=海外(混沌としたアジア)と
なりそうだが、この本は国内(東京より北)の旅について書かれてる

沢木さんのエッセイは読んでいて気持ち良い
言葉も難しくなく、簡潔なのだがユーモアも持ち合わせている
私が最も見習いたくなる文章である
人間は年齢とともに風貌、文章に生き様が表れるというが
沢木さんを見ていると本当にその通りだと思う

掲載されている短編のどれもがサクッと読めて余韻の残る作品であるが
たまたま昨日まで天体について書いていたので、この本の中で印象深かった
「一瞬と一瞬」という作品の一部を紹介したい

ある天文台で研究しているという男性の言った言葉であるが
「UFOは存在するか?」という問いに関連した回答の言葉であった

『宇宙が現れて百四十億年、地球が生まれて四十数億年、そこに現代人に
近い人類が登場したのが二十万年前。百四十億年を一日とすると、二十万年は
一・二秒。つまり、知的生命体としての人間が存在している期間というのは、
永い宇宙の歴史の中ではほとんど一瞬に過ぎないのだ。 以下略』

もしこのスケールでものを考えられたら、今までと答えが
変わってきそうだと思った

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