PLAY 25年分のラストシーン
昨日書いた「行き止まりの世界に生まれて」とはちょっと違うが
この作品も時間軸が重要なテーマになっている作品である
「行き止まりの世界に生まれて」は、12年間を実直に映し出す
正統派ドキュメントだったが、この作品は25年間をあたかも
現実のように作り上げたストーリーである
主演は、フランスの人気コメディアン、マックス・ブーブリルが
主人公のマックスを演じている
そして盟友であるアントニー・マルシアーノ監督のアイデアに
惚れ込み、共同で脚本も手掛けている
動画も写真も同じだが、作品を撮ったその場から
そこに写された映像は過去のものとなる
その過去の映像を確信犯的に作り上げて、25年分の歴史を作りあげ
映画にしてしまったのがこの作品である
このアイデアは、映像の特徴を生かしたとても素晴しい作戦だと思った
舞台は1993年のパリ
主人公である13歳のマックスは、両親からビデオカメラを贈られた
大変喜んだマックスは、この日から自身の身近なものである家族や
幼なじみのエマ、マチアス、アルノーたちとの他愛ない日々を
撮り始めるのだった
やがて動画オタクのようになったマックスは、何処に行くにも
ビデオカメラを携帯し、いつも映像を撮るようになった
25年の間に撮りためた膨大なテープを整理した時に
そこにはマックスと仲良し4人のかけがえない青春の日々が
リアルに記録されていたのだった
38歳になったマックスは、その映像に写されたダメな自分を
見つめなおす
そしてそれまでの後悔だらけの人生に終止符を打つべく
未来を変えるために決断した
この作品を観ていると不思議な感覚になる
ホームビデオの映像がリアルで、本物の当時の映像に思えてくる
さらにそこに移された役者も、リアルな過去の本人のように思えてきてしまう
監督は、時代の空気感を再現するために90年代のビデオ画質に
近づける工夫をしたり、あえて聞き取れないセリフを入れるなど
色々と試みたというが、上手くできていると思えた
ストーリーのラストがとてもきれいに出来ているところは
好き嫌い分かれるかもしれないが、私は幸せな気持ちにさせてもらえた
とっても好きな作品だ




