昨夜のカレー、明日のパン 木皿 泉
読み終わってから知ったのだが、この作品は本と同じ
タイトルでテレビドラマ化されたことがある
主人公のテツコを仲 里依紗、同居するギフ(義父)を鹿賀丈史という
豪華キャストで2014年10月からBSプレミアムで
連続7回放送されたようである
作品を読んだ後だと、どんな映像作品だったのだろうか?
ちょっと興味を持った
著者の木皿 泉(きざら いずみ)さんについても、私はこれまで
全く知らなかったのだが、夫婦脚本家でこれまでにテレビドラマ「すいか」で
向田邦子賞を受賞しているような人気脚本家であった
この作品、その二人がはじめて綴った連作長編小説なのであるが
本屋大賞では第二位になり、山本周五郎賞にもノミネートされた
読んだ後の感想になるが、脚本も小説も読み手への伝わりやすさが
大切だと思わせるような作品だった
ちょっと意外な家族構成である
主人公のOLテツコは、夫であった一樹を病気で亡くしてからも
ギフ(義父)と一緒に住んでいる
19歳で結婚し、たった2年で一樹が亡くなった
それから5年が経過した設定で物語が進んでいく
計算するとテツコは26歳か27歳ということになる
その年齢である女性が、ギフと5年間二人暮らしすることは
実際にはかなり少ないだろうと思う
だが、私には全く違和感なく物語に入っていけた
ここがこの作品の一番すごいところかもしれない
これは、テツコとギフのキャラクターによるところもかなり大きいと思うが
物語に散りばめられた亡くなった一樹との思い出と
何より二人の中に、まだ一樹が存在しているところが
現実の二人暮らしとは違った感覚になるのかもしれない
テツコとギフを除く登場人物は少ない
一樹を知っている者もいるし、そうでない者もいるのだが
皆少し変わっていて面白く、各章のストーリーを地味に盛り上げていた
ちょっと悲しいとか、ちょっと切ないとか、ちょっと嬉しいとか
そんな気持ちになれることが、この作品の特徴だと思う
私には、どこか吉本ばななさんの作品に通じるものを感じた
特にテツコの恋人である岩井がすごくいいキャラクターだと思った
彼ならこの二人と十分生活出来ていけそうだ
終わりの解説を作家である重松清さんが書いているのだが
木皿さんへのインタビューあり、完成まで9年費やした経緯の説明ありで
大変面白いものになっていた




