ノマドランド
2020年制作のアメリカ映画
ジェシカ・ブルーダーの渾身のノンフィクション
「ノマド 漂流する高齢労働者たち」が原作である
私はまだ読んでないが、著者は3年もの間、自らも車中泊しながら
全米2万4千キロを巡り、数百人のノマドを取材して書きあげたという
この事実を聞いただけでも読みたくなるというより
読んでおいた方がよいと思った
監督は中国出身の新鋭女性監督であるクロエ・ジャオ
この作品では少し特殊で、まず作品があり、その映画化権を取得した
フランシス・マクドーマンドからの依頼で監督に就任した
なので監督の思いで制作されたというより、依頼者である
フランシス・マクドーマンドの思いを表現することを第一に
考えたのかもしれない
クロエ・ジャオの前作「ザ・ライダー」を観て期待した人にとっては
少し違和感を感じた人も少なくないみたいだ
折角だから「ノマド」という言葉についても調べてみた
コロナ禍で、最近この「ノマド」が使われる言葉もよく聞く
「ノマド」とは、本来は遊牧民や放浪者を意味する言葉だという
そこから派生し、定住地を持たず移動しながら暮らす人とも解釈される
コロナ禍で使われるようになった「ノマドワーカー」の意味も
今回調べることによって改めてよくわかった
言葉の意味を知っても、言葉からだけでは何か自由で快適なカーキャンプを
しながら旅をする人々を想像してしまうかもしれないが
映画の予告を観たらそういったタイプの作品でないことは
容易に想像できると思う
実際本編は車上生活者の現実をひたすら追っていくという作品なのだが
映画とドキュメントの境のない部分を描き出している
フランシス・マクドーマンドが演じるファーンだけが
実在しないキャラクターで他の大部分は実際のノマドが出演している
だからどちらかというと役者が現実のノマドの中に紛れているという
ドキュメントの中にポツリと役者が存在している感覚だ
この作品を観た人で本当のノマドが出演していると知らなかったと
驚く人がいるようである
そしてフランシス・マクドーマンドが本物のノマドのようだったという人もいる
私は前知識なしで観たが、ノマドの出演者は本物だろうとすぐに感じた
ひとりひとりの存在感が重すぎて、全く役者には見えなかった
それと同じようにフランシス・マクドーマンドの演じるファーンは
他のノマドとは、少し違うように見えた
やっぱり簡単に同化することなど出来ないのだ




