声もなく
2020年制作の韓国作品
この作品はたぶん若手から中堅俳優に差し掛かったユ・アインの
代表作となっただろう
ユ・アインの名前を私に強烈に印象付けたのは2015年の大ヒット作「ベテラン」だ
この時は狂ったボンボン役を迫真の演技で演じていた
主演のファン・ジョンミンを食ってしまいそうなほどの演技だった
当時ユ・アインはまだ20代だったので、若手時代から演技派俳優だったことがわかる
さて今回の「声もなく」だが特徴がいくつかある
無名の新人女性監督の低予算オリジナル脚本作品にユ・アインが出演したこと
そして口のきけない役であるのでユ・アインは、一切セリフがない
更にはユ・アインは役作りで体重を15キロ増量して挑んでいる
観終わって感じたことは、確かに青年テイン(ユ・アイン)が引き締まった肉体を
していたら、「ちょっと違う」と思ってしまっただろう
このような特徴のある作品である
ストーリーにも特徴があった
ノワール的要素から始まったかと思いきや、ユーモアや風刺を交えながら
誘拐事件になっていくのだが、一方的な誘拐と比べたら知り合いの家に
宿泊しているくらいのユルさもあったりして面白い
かといって互いを100%信頼するわけではないので、常に展開に緊張感はある
韓国映画にはあまりないタイプの作品に思えた
中にはあの「パラサイト」に似ているという人もいるようだが
ユーモアや風刺の要素は確かに同じ方向のものだが、ストーリーの持つ「波」は
全く違うと思える
この「声もなく」の波は終始穏やかなのであるが非凡で鋭さを持っていると思った
ホン・ウィジョン監督は1982年生まれであるから
映画監督としては間違いなく若手の部類になると思う
この作品を観た多くの人と同じ感想となるが
この先がとても楽しみな監督だと思う




