守護教師

守護教師

2019年公開の韓国映画
韓国映画でもうすっかり人気俳優となったマ・ドンソクの主演作品
私もマ・ドンソクのファンなので、チラシやポスターなどにあの顔を
見かけるとその作品は気に掛けるようにしている

普段から結構映画館の公開情報については気にしている方だが
この作品2019年公開とされているのだが全く記憶にない
きっと首都圏などの一部で公開されたか公開期間が短かったのだろう

最近の映画館の判断は大変早い
客が入らない作品と思えば、公開次週には朝一だけだとか
最終一回のみという時間にされてしまう
そして次の週にはひっそりと公開が終わってしまったりするのだ
客商売だからしかたないとも思うが、公開次週で日一回は早すぎだと思う…

タイトルが示すようにこの作品でマ・ドンソクが演じるのは
女子高の体育教師ギチョルである
このギチョルだが、ボクシングのチャンピオンの座に就きながら
暴力沙汰によりコーチの職を失ってしまい、地方の女子高に教師として
拾ってもらったというマ・ドンソクにピッタリの役どころである

どこか馴染めない閉鎖的な地方の町で、女子高教師という慣れない仕事の
毎日の中で、ギチョルはある一人の生徒の行動が気になり始める
その少女ユジンは、一人で友人であった同級生の行方を捜していた
友人は、突然行方不明となったにも関わらず大人たちは
単なる家出として全く取り合わなかった
警察も同じで、行方不明の捜査はまったく進展が見られなかった
そんな中ある日、ユジンが何者かに連れ去られてしまう

そうなるともうギチョルの出番である
ギチョルが持ち前のガッツと腕っぷしで悪党を次々と叩きのめし
ユジンを助け出すというストーリーだと誰もがわかってしまう
案の定その通りなのだが、それなりに楽しめる

只、ここまでど真ん中のストライクな作品だと驚きは薄すぎる
そして今後のマ・ドンソクの役どころが限定されていってしまうような気がした
もう少しひねりは必要なのかもしれないと思わせる作品だった

最後にユジンを演じたキム・セロンが「冬の小鳥」「アジョシ」の時に比べ
ずいぶん大きくなってびっくりした
時の経つのは早いものだ

 

海鳴り   藤沢周平

海鳴り   藤沢周平

これまで多くの藤沢作品を読んできたが
大体描かれている世界は共通しているように思っていた
しかし、この作品はこれまでの共通する世界とは少し違っているように思えた

私の勝手な思い込みでの藤沢作品の世界とは
ひたむきに精一杯生きる一庶民の美しい正義感のようなところに
スポットを当てたような世界だ
だから広義で言うような正義でなくとも、主人公の思う正義に
正直に生きている人物が描かれている世界のイメージが強い

この作品はそこがちょっと違う
只、いつもの世界とは違うのだけれど、文章は間違いなく藤沢周平作品だと
思えるところは、やはり作者の真面目な人柄からきているのだと思う
そして上下2巻の長編だが、いつものようにストーリーも練られていて
読み飽きすることはなかった
当然、時代物だが読み進めるうちに不思議なことに現在の登場人物の
話のように思えてきた

前置きが長くなったが、その違いとは何かというと
この作品は、江戸時代の不倫を描いた作品である
常に後ろめたさの付きまとう不倫と、いつもの義の世界は根本的に違っている
この違いは読んでいる間中、頭の片隅には残っていた

紙問屋小野屋を営む小野屋新兵衛が主人公である
たたき上げから独立し、一代で小野屋をそこそこの問屋にまで築きあげた
丁稚時代の小僧の中では、成功者といってよいだろう
商売も順調で、跡取りの一人息子は頼りないことと、四十の坂を越え
老いを意識し始めたこと以外は、大きな困りごともなく日々を暮らしていた

ある夜、紙問屋の主人が集まる寄合いを終え店を出た新兵衛は駕籠を待っていた
しかし、その時気に入らない問屋仲間に飲みに誘われたことで
それを断るため駕籠には乗らず徒歩で帰ることにした
帰り道を歩いていると地面にうずくまった女を見つけた
その女をよく見ると、先程まで寄合で一緒だった同じ紙問屋である丸子屋の
おかみであるおこうだった

おこうは悪酔いしたらしい
新兵衛はおこうを駕籠に乗せようと思ったが、時間が悪く駕籠は見えない
道端で看病するわけにもいかないので、どこかで休ませようと思った
新兵衛が思いついたのは、近くにある連れ込み宿のような店だった

このような始まりなのだが、改めて書いていても現代の話でも
全くおかしくない
無性に先に進みたくなるような上手い前半のストーリーだった

ソング・トゥ・ソング

ソング・トゥ・ソング

2017年制作のアメリカ映画である
ポスターの4人の俳優の顔ぶれを見ただけで鑑賞することを決めた作品だ

監督は名匠テレンス・マリック
2020年コロナ禍の中で劇場公開されたテレンス・マリック監督作品
「名もなき生涯」を私はとても観たかったのだが、観ることはできなかった
2月21日から日本公開されたのだが、コロナが増え始めた時期である
おそらく予定を変更しての上映になったと思われる

この「ソング・トゥ・ソング」は、2020年12月25日から公開された
年末年始も相変わらずコロナ禍ではあったが、2月終わりから
3月にかけてほどの緊張感はなくなっていたように思う
この年末年始に感染したと思われる数が、少し前に発表されて
再び特に気を付けなくてはならない状況になってしまったが
長い期間、自粛し続けることは大変なことである

作品数のとても少ないテレンス・マリックの作品が、こんなにも特殊な
年だった2020年に、日本で2作品も公開されることは
かなりレアなケースだ
通年と比べ、セールスなどかなり違ってくるだろう
(そう考えると、鬼滅の刃の人気はとんでもないということを実感できた)

4人の俳優の顔ぶれとは、ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング
マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマンである
私はこの4人が出演すれば、例え面白い作品でなくとも元が取れるような気分になれた
そしてこの作品、それだけでなくイギー・ポップ、パティ・スミス
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ジョン・ライドンなど
かなり強烈で個性的なミュージシャンたちも出演している
ジョン・ライドンはかなり太っていたので、しばらくは誰かわからなかった

舞台は音楽の街、オースティン
大物プロデューサーのクック(マイケル・ファスベンダー)の周りに集まる
人々を描いた作品である (たぶんそうだと思う…)
大筋のストーリーはあるのだろうが、ほぼ脚本がないと思われる作品だった
役者の表現力や即興能力が試される作品だろう
映像は美しく、一つ一つのカット割りが写真のようだった

前半はこの実験的作品の鑑賞の仕方がわからなく、正直かなり戸惑った
やがて徐々に慣れてきて、ようやく落ち着いて観ることが出来た