ヘッドハンター

ヘッドハンター

2012年制作のノルウェー・ドイツ合作映画
本国ノルウェーでの公開前に、ハリウッドがリメイク権を獲得したという
当時話題となったサスペンススリラー作品である
まだハリウッド版のリメイク作は、作られてはいないのだろうか?
公開はされてないようである

作品を観た感想は、かなり面白いと思った
良い意味でチープといった感じで、高度なアクションや火薬の量や
特撮などとは、全然違うところで驚きと興奮を与えてくれるような作品であった
特に主役のロジャーを演じたアクセル・ヘニーが実にいい味を出していた
インチキ臭く、ひがみっぽく、欲深いロジャーを、あたかも実在する
本人のように何の違和感もなく演じ切っていた
アクセル・ヘニーは、ノルウェー・オスロ出身の俳優で2010年代から
ハリウッドに進出しているらしいが、他の出演作もチェックしてみたくなった

ストーリーはシンプルで、ノルウェーで成功している
ヘッドハンターのロジャーが、同じく一流企業に産業スパイを送り込む
ヘッドハンターのクラスに命を狙われ、逃げ回るといった話である

ロジャーは低身長であること以外に欠点のない男だった
仕事は、ノルウェー国内の一流企業を顧客に持つ有能な
ヘッドハンターで成功していた
画廊を経営する美人の妻(ダイアナ)を持ち、広い敷地に現代風の
スタイリッシュな大邸宅を建て暮らしている
正に、絵にかいたような幸せ者である

そんなロジャーには別の顔もあった
表の顔を生かし、裏稼業として個人所有の高額美術品を住居侵入し
盗むといった商売を、警備会社に勤める相棒のオヴェとやっていた
そちらの裏の商売も順調だった

ロジャーはある日、妻の画廊でクラスに出会う
後にクラスが、行方不明とされるルーベンスの超高額絵画を
所有しているという情報を妻から聞くのだった
ロジャーは早速クラスの家に侵入し、目的の絵画を盗み出した
だが、その後状況は一変した

ここからロジャーがクラスに追われるのだが、ここからが最も面白い
制作費をかければいくらでも派手にできそうなシーンであるが
良い意味でチープだが、これはこれで楽しくて見ごたえは十分だった
肥溜めの中に隠れたり、頭を坊主にしたりとロジャーは大変だったが
面白い作品になっていた

フレンチ・ラン

フレンチ・ラン

2016年製作のイギリス・フランス・アメリカ合作映画
イドリス・エルバ主演の刑事ものバディムービーである
イドリス・エルバといえば、今年の3月にご本人がコロナに
感染したというニュースがあった
その後、無事回復したことも日本のニュースで報じられたので
ひと安心したことを憶えている

それだからというわけではないが、2017年の劇場公開で
観ることが出来なかったこの作品を、非常事態宣言の巣ごもり時期に鑑賞した
きっと同じような人は少なくないように思えるが、どうだろうか?

先程も書いたが、この作品は二人組コンビが活躍するバディムービーである
この型の作品は、映画では決して珍しくないのだがこの作品の設定は
なかなか斬新だと思った
その斬新なコンビだが、CIAの問題児であるはぐれ者捜査官ブライアー
(イドリス・エルバ)と、ブライアーが捕まえたスリの天才マイケル
(リチャード・マッデン)といったちょっと異色のコンビである

マイケルは路上で女の持っていたバックをスったのだが、その中身は
テロリストが仕掛けるはずの時限爆弾だった
偶然そのバックを手放したことで、間一髪命は助かるのだったが
街で起きた大爆発は、大きな事件となり、彼はテロリストの
濡れ衣を着せられてしまう

最重要犯として警察に追われることになってしまったマイケルだったが
彼の才能であるスリの腕前を買ったブライアーは、無実の証明のために
一緒に捜査に協力するよう持ちかけるのだった
こうして二人は組んで捜査をすることになるのだった

二人で組むことになるまでの前半の展開はとても面白く、目が離せなかった
それから二人がテロ犯人を捜していく後半は、ちょっとありきたりな感じと
二人が無茶苦茶強くて、途中でラストが見えてしまっている感じがした
しかし、92分という短い時間の中にスッキリと納まっていて
とても観やすい作品だった

挑む浮世絵   国芳から芳年へ

挑む浮世絵   国芳から芳年へ

浜松市美術館で開催されていた浮世絵展
出品作品のすべては名古屋市博物館の所蔵品である
全国を巡回している展示で名古屋、広島、福岡の後、浜松で展示があった
この後は、来年は高崎で、再来年は京都で展示される予定である
歌川国芳と「芳」の名を継いだ弟子たちの浮世絵作品を
約150点も展示した浮世絵展である

ほとんどの作品は初めて観るものだが、ポスターに使われた絵
「相馬の古内裏(そうまのふるだいり)」のガイコツだけは知っていた
歌川国芳の代表作だが、アニメに詳しい人ならスタジオジブリ高畑勲監督作品の
「平成狸合戦ぽんぽこ」に、この作品をモチーフにした場面があるというので
そんなところからも有名な作品かもしれない
私は、この作品が観れるだけでも十分だと思い、出掛けたのだった

古くは1550年くらいから浮世絵の歴史があるのだが
江戸時代になってから庶民も楽しめる娯楽として爆発的に広まった
木版画によって大量生産することで、安価での販売が可能になったことが
庶民の娯楽として広がった重要な要因である
そして、江戸時代から明治時代までそのスタイルで制作されていた
今回展示された国芳と芳年が浮世絵師として活動した時代は
国芳は幕末で、芳年は幕末から明治にかけてであるので
後期の浮世絵師ということになる

この展示の特徴を私の興味本位で勝手に挙げるとすれば
「血みどろ絵」の展示を観ることが出来るところである
普段私が浮世絵展などで観ている作品の多くの種類は「役者絵」
「美人画」、「名所絵」、「武者絵」、「物語絵」あたりである
正式名は知らないが「血みどろ絵」を観る機会はそうそうない
だから国芳の「相馬の古内裏」と芳年の「血みどろ絵」は大きな
見どころであると思う

展示は大きく5つの章に分けられていた
「武者絵」、「物語絵」、「美人画」などバラエティーに富んでいた
「戯画(滑稽な絵)」と呼ばれる作品を観ると、国芳のユーモアのセンスや
世間を風刺する鋭いアンテナを感じることが出来た
そして国芳の作品には、一般的な大判を3枚並べて1枚の絵とした
ワイドスクリーン画面の作品が多く、武者絵や物語絵では、より迫力を
感じることが出来た

初めて観た「血みどろ絵」は、最初は興味深く観ていたのだが
作品数があまりにも多かったので、最後にはもうお腹一杯的な
感じになってしまった