ザ・ファイター

ザ・ファイター

2011年製作のアメリカ映画
クリスチャン・ベールとメリッサ・レオが第83回米アカデミー賞で
助演男優賞、助演女優賞を受賞したという結構珍しい作品である
賞が示すとおり、脇役が主役を食ったような作品であるのだが
そのことについては観れば、おそらく誰もが納得いくと思う
当時も話題作だったので、映画館で上映された2011年に観ているが
先日アマゾンプライムを何気なく見ていて、偶然この作品を見つけたので
久々にもう一度鑑賞してみた

アメリカ映画は、娯楽的観点から見ると、非常に優れていて
エンターテイメントに富んだ多種多様な作品が、溢れ出るほど沢山ある
だが、私の一方的偏見では、楽しむ以外の要素は薄い作品が多いと感じる
これは作品を観る側にとって、映画の位置づけや好みによるところが
大きいので、どちらが良いかはその人次第だが、私が思うのは
顔をしかめて社会的な映画ばかりを観ることもつらいが
観終わってから短時間で脳裏に残らない映画もどうかと思える
だから何だという話ではないのだが… 

そんなアメリカの映画の中で、ボクシングを題材にした作品には
素晴らしいと思える作品が多い 
すぐに思い浮かぶ作品は「ロッキー」、「ミリオンダラー・ベイビー」がある
そして、本作「ザ・ファイター」もその中に入る作品である

ボクシングを描く作品の主人公は、間違いなくブルーカラーの暮らしをしている
そして何かしら世の中に不満を抱いている
そんな社会的要素が入り込むので、ボクシングが映画にしやすいところはあると思う
しかも勝負であるので、光と闇も描きやすいと思う

この作品は実話ベースである
主役は、後に世界チャンピオンとなるミッキー・ウォード
(マーク・ウォールバーグ)彼と彼の家族の物語である
元ボクサーで異父兄のディッキー(クリスチャン・ベール)と母親アリス
(メリッサ・レオ)に操られていたおとなしい性格のミッキーが
後に恋人になるシャーリーン(エイミー・アダムス)と出会ってから変わっていく
ボクシングの戦いもあるが、(ミッキーとシャーリーン)対(ディッキーとアリス)が
実は最大の焦点になっていると思う

久々に観たが、やっぱり名作だと思う
マーク・ウォールバーグは、一見つかみどころのない普通の役を
クリスチャン・ベールは振り切れてしまったような対照的な役を
どちらも好演していた

二大街道 ~東海道と中山道~

二大街道 ~東海道と中山道~

東海道広重美術館の展示
パート1とパート2で展示内容が全く違っていて
9月27日までのパート1では、渓斎英泉と広重が手掛けた中山道の
街道絵「木曽海道六拾九次之内」の全70点に加え
「雨の中津川」のプラス1点が展示されていた
そして11月1日までのパート2は、言わずと知れた広重の代表作
保永堂版「東海道五拾三次之内」の全55点が展示されている

私はパート1開催時に行ってきた
「木曽海道六拾九次之内」はその存在だけは知っていたが、実際に
全作品を見るのは初めてだった
この展示を知った時に是非見たいと思い、少し前から開催日を
しっかりチェックしていた

見始めてすぐに感じたことは、中山道は山や峠の絵が多い(当然だが…)
そして私には聞きなれない地名が多かった(これも当然だが…)
それでも解説を読みながら進んでいくと、この宿場は日本地図の
どのあたりで、当時どのような様子だったかが、イメージできて
徐々に楽しくなっていった
海の絵が多い保永堂版「東海道五拾三次之内」と比べるとモチーフの
違いは明確だった

特に印象的だったものは「岩村田」の盲人がけんかをしている絵や
中山道最大の難所といわれた「和田」の山に囲まれた道を旅人が歩く風景
そして「本山」で倒れかけた木の下で暖をとる旅人
など特に人物の描写についてが記憶に残った
この険しい山道でも、当時の成人男性の旅人は、一日およそ40km平均で
歩いたというからすごい体力だと思う

さすがに71点を一度に観ると、目と肩と腰がかなり疲れた
それでもやっぱり日本橋から大津まで一度に観ると
自分も同じようにこの険しい山道を旅したような気分になれた気がした

 

ラストヒットマン

ラストヒットマン

2008年制作のカナダ映画である
この作品、日本では劇場未公開作だったようだ
私はアマゾンプライムで鑑賞した

観終わって感じたことは、実にかっこいい作品だと思った
シンプルでセリフの少ない作品であるので、役者の良し悪しが
重要になるが、主人公のハリーを演じたジョー・マンテーニャはもちろん
その娘ラクエルを演じたエリザベス・ウィットメア、そしてひょんなことから
ハリーの片腕になったビリーを演じたロマーノ・オルザリの3人が
醸し出す雰囲気がとても良い感じだった

ずいぶん前の話であるが、ジョー・マンテーニャといえば
あのゴッドファーザー PARTⅢで適役を演じていたことを思い出す
それから30年以上の時が経ったが、やっぱり貫録と存在感が
凄い役者になっていることを証明してくれた感じがした

病魔に侵され、余命僅かな敏腕ヒットマンのハリーが主人公
彼は実の娘であるラクエルを相棒として仕事をしていた
ある日、ハリーは病気の影響でターゲットの狙撃をミスする
それが原因でハリー親子は、組織から標的として狙われる身になってしまう
娘ラクエルの命だけは助けたいハリーは、一人きりで落とし前をつけに行く
このような実にシンプルなストーリーである

この作品、物語的に面白いと思ったことが二つあるのだが、ヒットマンが
実の娘を相棒に仕事をするという設定が斬新だと思った
そしてもう一つは、自分を殺しに来たヒットマンを買収し、自分の相棒として
雇うところである
これは本当に意外でびっくりしたが、ビリーの醸し出す雰囲気に
観る側がそれもありかと思えるところが不思議な感じだった

派手な演出は全くなく、しかも撃ち合いも少ない
それでも終わっていくヒットマンの哀愁が漂うとって
渋いハードボイルド映画になっている
私はラストに女医からの電話が来たシーンがとても印象的だった