ピザ!

ピザ!

2014年制作のインド映画
原題は「からすの卵」ということだが、作品を観終われば
その意味は理解できる(たぶんそのはずである…)
しかし、本編の中ではそのシーンはあまり重要に思えないシーンに思えたが?
只、今こうしてブログを書いていると、別の考えも浮かんできた

ある日、スラム街に住む主人公兄弟が木登りして、カラスの巣から卵を
盗んで食べていた場所が無くなった
カラスの巣があった木は倒され、やがてそこには兄弟が見たことも
聞いたこともない新しい食べ物である「ピザ」を売る店が建てられた

ピザがどうしても食べたい兄弟は、時には悪いこともしながら
必死でピザを買うためにお金を貯める
やがてやっとのことお金を貯めて、客としてピザを買うため
店に入ったのだが、身なりが汚いことを理由に門前払いにあった
そんなこともあり、一度はあきらめかけたピザへの道だったのだが
ストーリーは急展開をみせ、何と兄弟は店側から招待を受けた
そして念願のピザを食べることができたのだが
その味は彼らの好みの味ではなかった

大体こんなストーリーだ
兄弟の住むスラムの生活が、ストーリーの多くを占めているが
インドのテレビ事情や、祖母が亡くなったりがあって
インドの生活や習慣などの一部が垣間見れたりする
物語はスラムとピザ店との対比が明確なので、非常に観やすいし
わかりやすい作品になっている

さて最初に書いた原題タイトルの真意だが、そこには対比としての
意味があるのかもしれないと思えてきた
カラスの卵を気取らないスラムでの日常生活、ピザを体面重視で
愛情のない金儲け商売と対比させて考えることもできる気がする
そしてもう一つ、カラスの卵は生き物が作ったかけがえない食べ物で
ピザは機械が作り、余れば大量廃棄される言わば、使い捨ての食べ物とも思える

ハッピーエンドが圧倒的に多いインド映画であるのだが
この作品の終わり方は少し違っていた
マスコミを意識しすぎの店側の露骨でいやらしい作戦についてなども
否定も肯定もしていない
そして兄弟は、最後にあれだけ憧れていたピザを食べることができたので
ハッピーな感じにも思えるが、私には原題がそうさせてないような気がしてしまうのだ

ダブル・サスペクト  疑惑の潜入捜査官

ダブル・サスペクト  疑惑の潜入捜査官

2016年製作の中国・香港合作作品
この映画は2014年香港で放送されて大ヒットを記録した
テレビドラマ「Line Walker」のスピンオフ作品だという
私はそんなこと知らずに鑑賞したのだが、後で考えてみると
キャストを理解するのに相当の時間を要した
きっとテレビドラマを観ていれば、このあたりは
だいぶ違ってきたのかもしれない

冒頭のシーンがなぜか?ブラジルのリオデジャネイロのシーンで始まった
「確か?、香港映画だったよな?」などと、思いながらその時は
観ていたのだが、後にストーリーが進展していった時に合点がいった
この作品も例にもれずに、ブラジル(リオ)の場所の説明的映像に
コルコバードの丘に立つ巨大なキリスト像を使っていた
私の中では、すっかり「ブラジル=コルコバードの丘のキリスト像」に
なってしまっているのだが、同じような人は少なくないと思う
短時間に説明なして伝わるのだから、それを使わない手はないのかもしれないが
別の表現映像も見てみたいと思ってしまう

物語はサブタイトルにもあるように、潜入捜査官が主人公である
あるマフィア組織に潜入捜査官が入り込んでいるのだが
観ている側には、はっきりと誰が捜査官かはわからないのが
この作品の最大の味噌だろう
観る側が勝手に潜入捜査官を予想しながら観るのだが
その辺を十分理解している作り手が、実にうまい脚本を作っていて
色々と捜査官と思えないような意外な行動を織り込むことによって
最後まで捜査官をわからせないような絶妙なストーリーとなっているのだ

そして中盤から冒頭のシーンにもあったブラジルでの取引のシーンと
なるのだが、そこから以降はギアが一段上がった
ストーリーもアクションも、より緊張感あるものになるのだった
只、途中まで無茶苦茶強いと思えたラム(ニック・チョン)とシウ(ルイス・クー)
が食堂に訪れた大男に大苦戦するシーンは不思議な感じがした
銃を使えば簡単に倒せただろうと、今でも考えてしまうシーンだ

最後は香港ノワール的な要素(ラストに向かい、ほとんどの主要キャストが
死んでしまう)が強くなっていくのだが、エンドロールが始まる頃には
全ての謎が解けたので、すっきりとした気分で観終われた

MUD

MUD

2013年制作のアメリカ映画である
日本での公開は確か2014年であった
当時じわじわと評価を高めていったこの作品を、私は偶然映画館で鑑賞した
そして観終わった時に、とんでもない掘り出し物を見つけたように
感動したことを今でも思い出す
連休中、何気に見ていたアマゾンプライムのラインナップに、このタイトルを
見つけてしまったので、6年ぶりにもう一度鑑賞してみた

所々ではあったが、覚えているシーンも結構あった
しかし話の筋もうろ覚えで、記憶が残ってないところも多かったので
もう一度観ているというより、新たな作品を初めて鑑賞しているのと
あまり変わらないような感覚であった
観終わった時には、やっはり好きな作品だと改めて思った

主役はMUDを演じたマシュー・マコノヒーである
今では押しも押されもしないスターであるが、この頃は
そこまででもなかったように思う
私には「リンカーン弁護士」で見たあの人だ!くらいの存在だったという印象だ

ストーリーはシンプルだ
二人の少年がボートで訪れ、時折探検し遊んでいる無人島
ある日、少年たちは木の上に打ち上げられたボートを見つける
しかし、そのボートには既に住人としてMUDが住みついていた
その少年たちとMUDとの関わりが、物語の中心となっていく
話の筋はこのぐらいにしておかないと初めて観る人にとっては
迷惑になってしまう

この作品はカッコ良くもあり、カッコ悪くもあるリアルな
男たちが描かれた作品だと思う
自分の中だけに存在する正義を大切に生きているMUDを見ていると
少し哀れだし、危なっかしくてハラハラするのだが、カッコよく思えた

大きな子供のようなMUD、宝石の原石のような
14歳の少年たちエリスとネックボーン、そして重要な役どころの
MUDの父親代わりだったボートハウスに住む老人トム
この境遇も年齢も異なる4人の男の信頼関係が絶妙に描かれている
融通がきかなく、武骨で皆社会のはみ出し者だけど、魅力的な男たちだ
作品全体にどこかイーストウッド作品に通じるような世界観がある感じがする

今回鑑賞してみて、この作品に名優マイケル・シャノンが
出演していたことに初めて気づいた
やはり良い作品は何度か観ないといけないと改めて思い知らされた