パラサイト  半地下の家族

パラサイト   半地下の家族

第72回カンヌ国際映画祭(2019年)で
韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品である
監督は韓国映画を代表するひとりであるポン・ジュノ
私の中では「母なる証明」が最も印象的であるが
私の観た過去の監督作は皆、特別記憶に残る作品であった

そして主演は、韓国映画を代表する俳優ソン・ガンホである
この二人のタッグは、これがもう4作目だという
新進気鋭の監督と韓国を代表する俳優のコンビというだけでも
観る価値は十分あると言える

パラサイトとは英語では、共生の一種である寄生を意味するらしいが
正にこの作品にピッタリな言葉であると思う
家族4人全員が無職で、劣悪な環境である半地下に住むキム一家が
あれよあれよという間に家族全員ちゃっかりとIT企業のCEOである
パク氏の身近に潜り込むように寄生し、職を得た
しかもコミカルでありながら少しも不思議感がなく
正に見事に潜り込んだ

この最初の30分くらいのストーリーの見事さが
観る側を釘づけにし、離れられなくさせられてしまう
そしてその後の展開もある雨の夜、元の家政婦が屋敷を
訪れたあたりから予想もできない緊張感ある展開になっていった

コミカルで怖くもあり、そしてグロさもある
それらのどれかが突出することなく、非常にバランスよく
ストーリーが進んでいく
そして最も重要な「地下」という言葉を社会の底辺とその匂いで見事に
表現されていた
この「地下」の表現手法は、やはりヨーロッパ映画に通じる感じがした
カンヌで絶賛されたことは頷けると思った

このような秀作に私などが一言述べることは本当に恐れ多いのだが
あえて私的な感想を言わせてもらえば、息子の誕生パーティーで
パク氏を刺したところで映画が終わったほうが、好みだと思った
強烈に匂いのイメージが印象付けされたシーンである
その後ストーリーがしばらく続くのだが、それは必要なシーンだとは
感じられなかった

そんなことを思っているうちに、何と2月10日に発表された
第92回アカデミー賞で、アジア映画史上初となる作品賞まで
受賞してしまったのだから
今最も旬なおすすめ作であることは間違いない

コンフィデンシャル  共助

コンフィデンシャル  共助

バディムービーとは、主人公が二人一組で活躍するといった
古くから当たり前のように存在する映画の一形式のことである
このスタイルの映画は大変多く、確立された形とも言える
この作品もバディムービーの王道とも思える面白い作品である

ストーリーは北朝鮮の警察と韓国の刑事が組み、北朝鮮から韓国に逃げた
偽札犯グループを追うといった話である
2人が組む映画の場合、多くは2パターンに分けられると思う
1つは2人共かっこいいキャストとするパターン
そしてもう1つは1人はかっこよくて、もう1人はずっこけキャラのパターンだ
やはり2人ともずっこけキャラは、コメディー以外では
ほとんど無いように思う

今回は1人がずっこけキャラの作品だ
それは韓国の刑事の方で薄給の中、女房子供と女房の妹の面倒までみている
その刑事が、北朝鮮から韓国に送り込まれたイケメン警察と組み犯人を追う
終始スタンドプレーで、危険を顧みないイケメン警察に
韓国のずっこけ刑事が振り回されているところが面白い

韓国の映画で多いのが、「クライムサスペンス」と呼ばれる作品だ
私はこのジャンルの作品も好きなのだが、この手の映画は
アクションが凄く、時折グロい映像が出てきて笑いのシーンは少ない

それに対して本作は笑いあり、アクションありで新鮮だ
正に、凸凹バディムービーといった感じだ
そしていつもながらストーリーもよく出来ていて、飽きさせない

最後に偽札犯のボス役を演じたキム・ジョヒュクの演技が光った
彼は去年2017年に交通事故により、突然亡くなってしまった
心よりご冥福をお祈りします

悪のクロニクル

悪のクロニクル

2015年制作の韓国映画
サスペンス映画だということくらいしか知らずに観た
最初の回想シーンでいきなり何だろう?と、いう感じだった
その後のチェ班長の出世していく姿も、かなり白々しくてこの作品はこの後
期待できるのか?とさえ感じ始めたのだが、その後の展開からは引き込まれた

簡単に言えば、犯人が犯人を捜す展開になる
しかも犯人が何と捜査グループのトップなのである
普通ならまず捕まることはない感じだ

昇進を目前にした敏腕刑事チェ班長は、部下たちとの昇進祝いの後
帰宅の際に搭乗したタクシーの運転手に、誰もいない山の中に
連れていかれ、ナイフで襲われてしまう
その際、乱闘の末に自己防衛のために、その運転手を殺してしまう
チェ班長は素に帰ったときに、このことが昇進に影響することを
恐れ、証拠を隠滅しその場を立ち去った

あろうことか?翌朝、チェ班長が殺した運転手の死体が
警察署の目の前にある工事現場のクレーンに吊るされた状態で
発見される

こういった全く予想できない展開になると、観る側(私だが)は
俄然気合が入ってきてしまう
徐々にだが、俄然優位な立場だった殺人犯のチェ班長が逃げ切れるか
わからなくなってくるので、先が面白くなっていった

途中理解できないような不可解な事件がいくつか起こるのだが
最後にようやく謎が解けた
その謎が解けた時に、わからなかった最初の回想シーンの意味もようやく
理解できて、やっと全て納得するのだった

凄く良くできたストーリーに只々感心するしかなかった
個人的に好きな俳優であるマ・ドンソクが出演していることも
ちょっとうれしかった
彼が演じるオ刑事が、本当の犯人が誰であるかを確信した
唯一の人物であり、後半に連れ存在感を増していく役どころだった