ヒグチユウコ展   CIRCUS

ヒグチユウコ展   CIRCUS

画家であり、絵本作家でもあるヒグチユウコ
彼女の約20年の画業の中で、描かれた500点を超える作品が
展示されるといった自身初となる大規模個展が
全国を巡回して開催されている

その最初の会場は、世田谷文学館だった
今年の1月に開かれていた
私はここには行かなかったのだが、大好評で連日大変な混雑であると
その当時ネットニュースでよく目にしていた
しかも、入場が数時間待ちなのはわかるのだが、グッズ売り場に
入るのにだって数時間待ちだというのだ
そうなればどちらにも行きたいと思えば、一日がかりになることは
覚悟しなくてはならない

そんな話題の巡回展が東京、兵庫、広島と回ってその後
不思議なことに、静岡県の三島市にある佐野美術館にやってきた
この美術館はどちらかというと展示面積は小さめなので
500点を超える展示ができるのだろうか?と私は余計な心配を
しながら行ってみた

予想はしていたが、入場者は大変多かった(さすがに東京ほどではないが…)
そしてこれも予想していたが、女性が大変多い
しかも年齢層は高めで40代より上の人たちが圧倒的だった
どうだろう男性比率は10%より低いのではないだろうか?
入場者はそんな感じだった

私はヒグチさんの作品をいくつかまとめて見たのは初めてだったが
非常に緻密な作品が多く、完成までには大変な制作時間と
根気が必要だろうと思わずにはいられなかった
それくらい本当に細部まで書き込まれていた

そしてモチーフにネコが多いことも、人気の理由だと思うのだが
その猫達もいわゆる心地よい絵とはなってないことが特徴だと思う
その他の作品も同じ傾向で、気持ちよい絵ではなく、どちらかというと
気持ち悪い感じがある
ネコと気持ち悪いをミックスすると「きもかわいい」という
独特の世界観になるのかもしれない(勝手な私の妄想だが…)

いずれにしても今の世に受け入れられるスタイルであることは
たくさんのお客さんで賑わう展示場とグッズ売り場の現実を見れば
間違いない事実だ

あの出来事

あの出来事

何も前知識を入れないで観た方が、面白い演劇もたくさんある
そのような作品は、観終わってから色々と調べることによって
面白さを再確認できたりする
本当はその後、再度観ると完璧だと思うが、実際そこまで
クリアすることは、なかなか難しいだろう

そんな前知識を持たずに観た作品のひとつに、この場所で今年観た
「骨と十字架」がある
古生物学者・地質学者でもあったピエール・テイヤール・ド・シャルダンを
描いた作品であったが、この人物の名前すら知らずに観たのだった
そして観終わった後に、この人物を調べてみたのだが
彼の足跡を読んでいく度に、演劇での各シーンが蘇っていった
これは、彼がわかりやすい人物だったからかもしれないが、初めての体験だった
だからというわけではないのだが、この作品についても
全く前知識を入れずに観劇してしまったのだった

本作はデイヴィッド・グレッグ作「The Events」の日本版である
その作品を瀬戸山美咲が演出、谷岡健彦が翻訳している
谷岡健彦さんはエジンバラ演劇祭で初演されたオリジナルを現地で
観劇しているそうである

この作品は意外にも2人芝居だ
登場人物は、銃乱射事件で生き残った女性とその犯人である少年である
生き残った女性クレアは、合唱団の指導者という設定で団員のすべてを
失ったという設定である
この死んでしまった合唱団は劇の中でコロスとして登場し
この物語のアクセントになっている
クレアを南果歩、犯人である少年を小久保寿人が演じている

私が見終わって感じたことは、この作品に関しては前知識がないと
理解することはかなりツライということだ
少なくともウトヤ島で起きた、極右青年による銃乱射事件について
事実だけでも押さえておかないと、かなり不思議な劇にしか見えないと思う
そんな私も観終わった時にたくさんの?マークが頭の中を回っていたが
事件を調べていくうちに考え方が変わっていった

この悲惨な事件は、どうしてもビジュアル的に表現したくなるところだが
この作品は、内面的な事件として捉えて表現していった作品になっている
クレアの思考が一旦は「赦す」、「理解する」といったところを通って
「わかり合えない」へとたどり着いていくのだが、気がおかしくなりかけていた

想定外なほどの不条理を、普通の人が簡単に理解など出来ないだろう
この事件を調べてその後、劇を思い返した時に私はそんなことを思った

今年の映画

今年の映画

今年も少なくなって、もうこんなことを考える時期になっている
私はこの一年の間に、かれこれ80本くらいの映画を観た
この数は、ここ数年の中では平均的な数だと思う
もう長いこと一年間に観た映画と自己評価を手帳に記しているので
この時期になるとそれを見て、この一年に観た作品を思い出すようにしている

私の勝手な評価は、きっとどこにもありがちで、星の数となっている
そしてこれも悲しいほどベタで、最高は星5つとなっている   
大体一年間で星5つの評価となる作品は、5本前後である
今年は4作品だったので、平均くらいと言えるかもしれない

そんな星5つの4作品とは

 「グリーンブック」
 「ガラスの城の約束」
 「存在のない子供たち」
 「永遠に僕のもの」

グリーンブックは今年のアカデミー賞で作品賞に輝いた作品
黒人ピアニストとイタリア系白人ドライバーがコンサートツアーに
出るといったロードムービだ

ガラスの城の約束はホームレスのような生活を送る風変わりな
両親とその両親を憎んで家を出た娘との家族愛を描いた作品である

存在のない子供たちはレバノンに住む住民IDを持たない
子供たちの生活を描いている

永遠に僕のものはアルゼンチンで過去実際に起こってしまった
連続殺人事件が題材となっている

どの作品も今でも印象深いシーンは、私の記憶にしっかりと残っている
多分私はノンフィクションに近い人間ドラマの作品が好みだと思うが
今年もそんな作品ばかりが星5つになった結果だった

そしてノンフィクションドキュメンタリーも、もちろん好きで
今年も多くの作品を観た
そんな中で印象深かったのが

 「私は、マリア・カラス」 
 「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」
 「RGB 最強の85才」
 「人生をしまう時間(とき)」
 「氷上の王、ジョン・カリー」
 「少女は夜明けに夢をみる」

来年もよい映画を観たいと思う