白い暴動

白い暴動

日本ではコロナ禍である2020年4月に公開となった作品
私は劇場で観たかったが公開期間が短かったため、行きそびれてしまった
当時ちょっと後悔したことを思い出した
そんな観たかった去年の作品が早くもアマゾンプライムのラインナップに
登場したため、早速観ることにした

パンクが好きだった人にとってタイトルの「白い暴動」と聞けば
当然ザ・クラッシュの名曲を思い出すだろう
しかしこの作品を観ると、このタイトルが直接この曲とは
大きくは関係ないということが徐々に理解できた

只、結局最後までわからなかったのだが、この「白い暴動」とは
白人至上主義者を指したタイトルなのか?
ロック・アゲインスト・レイシズムを指したタイトルなのか?
それともこの対立する運動と直接は関係しないタイトルなのか?
結局タイトルの指す白い暴動がわからなかった

リアルタイムではないにしろ私の多感な時期、パンクが与えた影響は
計り知れなかった
そしてそれは、おじさんになった今も全く変わってない
よく小難しい連中が、リアルパンクとかファッションパンクと言ったりするが
そんなことは本当にどうでもよくて、モノの捉え方だけで判断する話なのだ

この作品はそんな私の思いを確信付けてくれるような作品だった
言うまでもなく1970年代後半の英国が舞台である
経済破綻に見舞われ、国民の不安と不満が爆発していた当時の英国
そんな中で公然と人種差別が広まり、国内では有色人種を狙った
痛ましい事件が多発していく
やがてその風潮に反旗を翻したのが、若いアーティスト達が組織した
「ロック・アゲインスト・レイシズム」であった

彼らの主張はパンクやレゲエミュージシャンと融合し、若者を中心に
急速に大きな英国社会のうねりになっていった
その貴重な様子を描いたドキュメンタリーである

この作品を観ると今もなお、同じような差別が世界で起きていることに嫌でも気づく
当然、そこに何も前進できてない世界の愚かさを感じる
そして当時、まともでないとして厄介者扱いされていたパンクやレゲエの若者のほうが
実はまともな主張をしていたことに気づかされる
更にもう一つ言うと、きっとこの作品を観た大多数はエリック・クラプトンに大失望すると思う

世界で一番しあわせな食堂

世界で一番しあわせな食堂

2019年製作のフィンランド・イギリス・中国合作映画
フィンランドを代表する監督であるミカ・カウリスマキ監督作品
映画の好きな人は知っていると思うが、ミカ・カウリスマキ監督の
実弟がアキ・カリウスマキ監督である
二人共映画監督でフィンランドを代表するような監督である
私はどちらの監督作品も大好きである

どちらの監督もヨーロッパの地方都市を舞台にしたヒューマンドラマが
得意なのだが、本作もそのど真ん中といった感じだった

フィンランド北部のラップランド地域にある小さな村が舞台である
このように書いても場所が全くイメージできない
この機会に地図で場所を調べてみた
フィンランドの国はヨーロッパではかなり北に位置する
隣はスウェーデンで北はノルウェーと接している
そして南北に長い国土の北半分がラップランド地域と呼ばれている
この地方の魅力は豊かな自然と運が良ければ見えるというオーロラである

ラップランドの豊かな自然は、映画の中でも十分感じることが出来た
特に森の中でトナカイの群れに遭遇したシーンは、本当に神秘的だった
でも、実際遭遇したら相当恐怖を感じるだろうと私は思えた
少し前、伊豆の山の中で野生のサルの群れにあった時に
相当怖かったからである

ストーリーはシンプルである
ラップランド地域にある小さな村にあるシルカの営む食堂が舞台
ある日その食堂に上海からやって来た料理人チェンとその息子が訪れる
チェンは大切な恩人を探してここにやってきたが、言葉の壁もあり
なかなか会えず日々だけが過ぎていった
シルカの厚意で空き家を使わせてもらっていたので
そこにとどまることが最も旅費を節約できたこともあるだろう

いつものようにチェンがシルカの店に居ると、大勢の中国人観光客が食堂に訪れた
観光客たちは中国料理を注文するが、シルカが作れるわけはない
そこでチェンが料理を作ることになった
結果は大成功で、それからチェンも厨房に立つようになった

「食」を通じて中国人とフィンランド人が理解を深めていく様が
わかりやすく自然に伝わってくる作品である
カリウスマキ作品では役者が実にリアルであることも特徴である
だから食堂も映画の中のものでなく、本当の食堂のように思える
そして音楽も重要なパーツとなっており、個性的で実に良い感じなのである

アクシデント すべてを失った女

アクシデント すべてを失った女

2019年制作のアメリカ映画
失礼ながら私の知らない俳優ばかりが登場する作品だった
低予算ムービーであることは観ればよくわかるのだが
なかなか見ごたえのある作品だった

きっとサスペンス映画に入るのだと思う
簡単に言うと復讐劇であるので、この手の作品では
よくある題材であったが、なかなか面白いストーリーになっていて
途中の展開が読めずにハラハラさせられる場面も多かった

さてそのストーリーであるが
ある夜、メーガンは子供2人を乗せて運転していた
その時、車線をはみ出した対向車と衝突事故を起こしてしまうのだった
原因はメーガンではなく、対向車の運転手の飲酒運転によるものだった
しかも比較的車のダメージが少なかった対向車は、メーガンたちを
救出せずに現場を逃げてしまうのだった

対向車が逃げたことも大きな一因となり、この事故でメーガンは
愛する2人の子供を失ってしまった
心のダメージは大きく、生きる気力を失いかけたメーガンだったが
犯人の車の色とリアに張られたステッカーを覚えていたことで
いつか見つけ出して復讐をすることのみが生きる理由となった
やがて民泊を始めたメーガンのところにある家族が泊まりにやってきた
そして同じ赤い色のその車には、見覚えのあるステッカーが貼られていた

おおよそこんな筋なのだが、事故の時に車を運転していた者は
この車の所有している家族ではなかったりと
ストーリーに深みを持たせるようひとひねりもふたひねりもしている
それが先の見えないスリリングな展開を作っている

ラストは当然、メーガンが復讐したか?しなかったか?が大きな関心となっていくが
これを書くと、これから観る人がいたら怒られると思うので結果は書かない
でもこの作品らしい終わりかたで私は好きだった