疑惑の男 ドリュー・ピーターソン

疑惑の男 ドリュー・ピーターソン

2012年制作のアメリカ映画
前情報は全くなく鑑賞したが、面白い作品だった
全く知らなければコメディー映画だと思う人もいそうな作品だが
鑑賞後に調べてみてびっくりだが、実話を基にした作品であった
そして物語の主役であるドリュー・ピーターソンは実在し
現在も服役中なのである

インターネット上に名前を打ち込むと、途端にたくさんの
ドリュー・ピーターソン本人の写真があらわれた
その写真を眺めてみると映画の中で彼を演じていたロブ・ロウと
雰囲気がよく似ていると思った
イケメン俳優のロブ・ロウがドリュー・ピーターソンに顔自体を
似せるのは諦め、せめて雰囲気だけでも似せたのだろう
只、私の中での彼のイメージはまだ「セント・エルモス・ファイヤー」の
ままだったので、今回の役の彼を見た時は年をとったなあ!と
思わずにいられなかった

警察に勤務するドリュー・ピーターソン(ロブ・ロウ)は警察官として優秀な男であった
同僚からの人望も厚く、犯罪者からの人気も高かった
1979年には最も優れた警官に贈られる「Police Officer of the Year」を授賞する
3番目の妻であるキャサリンとの間に2児を授かり、白亜の大きな屋敷に住み
幸せな日々を送っていた
そんな順風満帆なドリューであったが、キャサリンと別れ
新しい恋人のステイシーとの4度目の結婚を選ぶ

ストーリーは4度目の結婚生活を重点的に描いているのであるが
それもそのはずこの時期、後にドリューが逮捕されるきっかけとなる
3番目の妻のキャサリンの不可解な死亡事故が起きる
そして4番目の妻であるステイシーに対する執拗な束縛と異常な監視を経て
全米でニュースとなったステイシー失踪事件が起きるのだった

そんな間にもまた新たな恋人が出来たりするからこの人かなりモテる
そして終始不思議に思って観ていたのだが、警官にしてはお金持ちすぎる
元々のお金持ちなのかもしれないがちょっと不思議な感じがした

この映画の中では何となくドリューが犯人では?というニュアンスで
描かれているが、実際は逮捕前も逮捕後も刑務所内でも一度もキャサリンの件も
ステイシーの件も一環して関与を認めてない
この映画を観ただけではわからないと思うが、限りなく黒に近いと思わされる彼と
この事件との関わりの真実を知りたくさせるような映画である

SEARCH  サーチ

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2018年制作のアメリカ映画
いかにも現代といった感じの作品である
googleに所属していた弱冠27歳のインド系アメリカ人である
アニーシュ・チャガンティが監督を務めたのだが
作品を観れば納得するだろう

まず最初に多くの作品紹介等でこの作品の物語のすべてが
パソコンや携帯の画面上で進行していくと書かれているが
それは適当ではない
観ているとあまりにもそういうシーンが多いので、錯覚してしまいがちだが
証拠となる発見など現場で見つけたものもあったり、重要な電話もよくする
正確に言えば、骨となる部分はインターネット上で
進められているくらいが適当だと思う
ここが小さい間違いだと思えない人は多いと思う

16歳の女子高生マーゴットが突然姿を消した
行方不明事件として捜査が始まるのだが、肝心である
事件か?家出か?は不明のままであった
いち早く原因を知りたいと父親のデビッドは、マーゴットのPCに
ログインしてInstagram、Facebook、Twitterなど娘が
登録しているSNSにアクセスを試みた
するとそこにはデビッドの知らないマーゴットの姿があった

ここからデビッドは娘のPCの情報を基にマーゴットを探していくのだが
ストーリーは巧妙であるのにわかりやすく、展開の無理もあまりない
ややインターネット上から得る情報が要領よすぎる感じはするが
そのあたりについては、この監督ほどのPC知識が無い私だから
そのように思えるだけなのかもしれない
ひとつのサスペンススリラー作として十分楽しめる作品だった

最後に私だけかもしれないが
娘を探す方法の斬新さが最も注目される作品なので
事件が解決し、娘の無事がわかった時の感動は薄かった
やはりそれまでの過程への勝手な興味がそうさせてしまったのだと思う

天国にちがいない

天国にちがいない

2019年制作で
フランス・カタール・ドイツ・カナダ・トルコ・パレスチナ合作
というたくさんの国が関わった作品である

イスラエル出身の名匠エリア・スレイマンが監督を務め
そして主役も務めた作品
そして2019年の第72回カンヌ国際映画祭で特別賞と
国際映画批評家連盟賞を受賞している

たぶんドキュメンタリー作品ということになると思う
物語はエリア・スレイマン監督の自宅であるイスラエルのナザレから始まる
監督の日常がしばらく同じシチュエーションで進んでいく
それはまるでカレンダーをめくるように繰り返される
やがて捉えられる風景は、自宅から徐々に広がっていく

この作品は無声映画だったのか!と思い始めてきたころに
ようやく声が聞こえたが、またすぐに沈黙が続いた
作品全体にわたり非常にセリフは少ない
しかしそれが監督とイスラエルの風景を観る側にうまい具合に
イメージづけてくれているようだった

その後スレイマン監督は新作映画の企画を売り込むため
パリ、ニューヨークへと向かう
面白いもので数分前の映像で初めて知った監督の故郷であるのに
私はパリ、ニューヨークにいる彼を見てもイスラエル=スレイマン監督が
定着してしまっていた
映像の伝わり方の実験結果を検証するかのように鮮やかにイメージが
刷り込まれていた

パリ、ニューヨークという世界の大都市に佇むイスラエル人
文化の違いに目を白黒させながらも、そこに存在する危険や
人の行動を独自の目線で着目していた
それはまるでイスラエルだけが特別なんかじゃないという
メッセージのようにも思えた
「本作は世界をパレスチナの縮図として提示しようとした」という
スレイマン監督の言葉が何となく理解できる感じがした

この作品は恐らく観る人によって真っ二つに評価が分かれる作品だが
こういった作品が好きな私のような人間には面白い作品だ