伝えることの難しさ

伝えることの難しさ

ここのところ日本のニュース番組は、ほとんどの時間が
新型コロナ関連のニュースである
おそらく人里離れテレビもラジオもない場所で
暮らす人(こんな人日本にいるかわからないが…)以外は
この感染症が広がらないための、国や県からのお願いの内容は
誰もが知っていると思う

只、言葉としては皆知ってはいるのだが、自粛のお願いの
本質となる部分が皆に本当に伝わっているのか?については
怪しいのではなかろうか?と、思わざるを得ないような出来事があった

最近、小売業社などではレジの前に透明のビニールシートが
天井から吊るされているところが多くなった
そして床には、レジを待つ人が待機する場所を示すビニールテープが
張られているところも、もはや当たり前となっている
当然、感染防止のためだと大抵の人はすぐに理解できると思う

会社の同僚からの話だが、ある日テープの位置でレジ待ちをしていた
するとテープに気づかず、同僚のすぐ後ろに並んでいたおばあさんから
「もっと前に詰めてもらえませんか?」と苦情を言われたという
同僚は優しくテープの存在を説明すると、おばあさんは一瞬
テープ位置まで下がったのだが、性格なのだろうか?少し経つと
やっぱり前に動いてきてしまったというのだ
私は、何だかドリフのコントのようだと思った

私が見たのは、やっぱりレジで並んだ時のこと
私の前のおじさんが店員に何か質問をしていたのだが
このおじさん透明なビニールシートを、まるで暖簾でもくぐるかのように
内側に体を入れて話し始めたのだった
予想できない行動に私は目が点になってしまった

近所の薬局では、開店時にマスクを販売することを中止している
これはマスクを買うために早い時間からたくさんの人が
並んでしまうので、密を作ってしまうことが原因なのだが
この行動も本末転倒そのものであると思う

こういった色々な人の行動を見ていると
多くの人が目的の趣旨を本当に理解できるように伝えることは
かなり難しいことだと改めて思う

そしてこれらの例に挙げた行動を、笑っているのではなく
個々がよく考えて行動しなければ、逆効果となる場合があることを
今一度考える機会にしないといけない

スーパー店員を切りつけた事件

スーパー店員を切りつけた事件

新型コロナは病原菌の感染だけでなく、色々な事件の
引き金にもなっているようだ
家庭内のDV増加や、離婚まで増えているという
先日は、ハイボールを購入した男に女性店員が
釣り銭を手渡そうとし、トレーに置けと文句を言われ
仲裁に入った男性店長が顔を殴られる事件まで起こっている

このような普通ではちょっと考えにくい事件を聞くと
やはり平常時の生活ができなくなると、平常時の精神状態で
いられなくなるということは自然なことなのかもしれないと
思えてもきてしまう

この事件をネットニュースで見かけた時も驚いてしまった
2020/04/17 14:49 産経新聞の記事で
「スーパー店員切りつけ 商品交換できず激高」という
タイトルの記事である

大阪市西成区で17日午前、スーパーの店員が男に切りつけられた
サラダ油の交換を店員に断られたことで激高し、刃物のようなもので
切りつけていたことが同日、分かった
西成署によると、事件は「スーパー玉出 天下茶屋店」前の路上で発生
男性店員が男に刃物のようなもので左足を切られた
店員は命に別条はなく、軽傷だという
切りつけた男は現場から逃走しており、同署が殺人未遂容疑で行方を追っている
同署によると、男は事件前に「サラダ油を交換してくれ」と来店
このサラダ油は開封されていたため、店員が交換を断ったところ
男は激高し、刃物のようなもので店員に切りつけて徒歩で逃走した

この記事を読むだけでは、店員のとった行動は正しい対応のように思える
開封済みのものは、よほどのことがない限り交換対象にはなりえないだろう
逃げた男も70代であれば、そんなことを知らないとは考えにくい
しかも刃物を持参して交換に行くことに計画性を感じてしまう

つい最近この男は捕まったが、動機はまだわかってない
この時期であるから金や仕事に困ったことが、事件の背景に
あるのかもしれないと思ってしまう
労働者の町は、最もスピードが速く、しかも壊滅的に新型コロナの
影響を受けるに違いないだろうから

渋滞

渋滞

ごく最近のことだが、車通勤を始めた
理由は新型コロナの感染リスクを考え、電車通勤はそろそろ
危なくなってきたように感じたからである
実に8年ぶりのことである

そんな車通勤も1週間以上が経ったが、これまで大きな
朝の渋滞もなく、8年前と比べると順調だった
ここにもコロナによる自粛の影響があるのだと思われた
そんなことを感じ始めていたある日、2つの渋滞に巻き込まれた

ひとつめの渋滞は、道路に設置された電光掲示板で事前に知った
「9Km先渋滞 故障車あり」と書かれた情報をあらかじめ見てたから
渋滞が始まった時には心の準備はできていた

渋滞中の車内のラジオからは、新型コロナの休業補償に
思うようにお金が出てこない現状を、エコノミストが解説し
そして財務省を批判していた
原因である故障車を通過するときに、車外に立っている
運転手が見えたが、スーツ姿の彼は
だいぶ困っているように見えた

渋滞を抜け、少し走ったところで前方に消防車の回転灯が見えた
その回転灯が近くなるにつれて、ふたつめの渋滞が始まった
原因は、私の進路とは反対車線で起きたバイクと乗用車の事故だった
現場の路上には、乗用車の後ろにレーサーレプリカのバイクが停められていた
その後ろには救急車と消防車が停められており
よく見えなかったが、バイクの運転手は路上に倒れたままのようで
そこには3人の救急隊員がいて、これから何かするところだった

私は何か大変な事故のような気がしたが、車内から事故の
詳しい状況はよくわからなかった
その生々しい事故現場を通り過ぎると、車は徐々に走りだして
それからすぐに渋滞をぬけた
ラジオから聞こえてくるのは、コロナ関連のニュースから変わり
AKB48の恋するフォーチュンクッキーが流れていた
タイトルとサビだけは知っていたが、フルで聞くのは初めてだった
そんなに昔の歌ではないのだが、なんだかとても懐かしい気持ちになった

歌を聞きながら、ふと思ったことは
今この時にも色々な状況の人がいるということだ
車が故障してしまった人、事故にあった人、事故を起こしてしまった人
コロナで重症の人、激務の中にいる医療従事者など
今というこの瞬間、様々な困難に直面している人がいるのだ
それを思えば、渋滞で待つことなど大した事ではないのである