ベートーヴェン   遥かなる恋人に寄す

ベートーヴェン   遥かなる恋人に寄す

今年はコロナ禍の影響で演劇やコンサート、展覧会や映画館などは
計り知れないほどのダメージを受けた
ようやく夏位からは3月~6月ほどではなくなったが
依然として正常とは程遠い状態が続いている
最近になり、また感染が増えてきたので、新たな制限が
始まりそうな感じさえある

いつもなら年に何度かコンサートに出かけている私だが
今年は、このコンサートが初めて聴いたコンサートだった
演劇に至っては、結局今年はまだ一つも観ていない
展覧会や映画館には7月くらいからボチボチ行き始めたが
演劇やコンサーに関しては、自分の中では
もう一段(警戒が)高いところに思える
生業としている関係者は、本当に大変だと思う

そんな大変な2020年であるのだが、世界中の人が知っている
偉大な音楽家であるベートーヴェンの生誕250年にあたる
おそらく、世界中でたくさんのイベントが予定されていたことだと思うし
日本でもあちこちで記念のイベントが予定されていただろう
その中には延期でなく、中止になったものも少なくないと思う

私はこのコンサートともう一つ浜松市楽器博物館の企画展
「ピアノの謎・人物の謎・名曲の謎 知られざるベートーヴェン」を
観たことで、何とか生誕250年を感じることが出来た

自らもピアノの名手であったベートーヴェン
彼の前の時代には、ピアノに似たものはあったが、ピアノはまだ(少)なかった
だから、前の時代の作曲家と差別化を図る意味でも積極的に彼は
新しい楽器であるピアノのための曲を作った
彼のピアノソナタを、そのままピアノの歴史と言っても過言ではないという人も多い
楽器博物館の展示では、ベートーヴェン前後の時代のピアノ(似た楽器を含む)の
展示が見どころとなっていた

そしてこのコンサートである
会場のA0Iでは、定員の50%をMAXとして行われ、ほぼ満員だった
ピアノ・ソナタ第14番(月光)から始まり、朗読や連作歌曲があり
最後は、ピアノと管楽のための五重奏曲で終わったのだが
ベートーヴェンの代表作をつまみ食いしたようなコンサートになっていた

私は連作歌曲を歌ったバリトンの声がとても記憶に残っている
このようなプロの歌声を聞く機会が少ない私にとって
その肉声の迫力は、とてつもなくインパクトのあるものだった

このコンサートの前に関連講演会が開催された
そこで聞いたのだが、ベートーヴェンのチェロのための大協奏曲
(三重協奏曲)が非常に難曲だという
チェロが好きな私は、今度是非聞いてみたいと思ったのだった

 

宮田 大  チェロ・リサイタル

宮田 大  チェロ・リサイタル

グランシップの今年度から始まった企画である
「グランシップ リサイタル・シリーズ」の記念すべき第一回目が
このコンサートになるらしい
このシリーズは将来を担う若手演奏家を迎えるシリーズだ
宮田さん本人もコンサートの中で言っていたが、一回目がチェロとは
実に渋い人選だと思う

数ある弦楽器の中でチェロの音色が最も好きな私だが
クラッシックはあまり詳しくないので、日本のチェリストを
ほとんど知らない (外人も超有名どころしか知らないのだが…)
そんな私でも宮田さんだけは名前を知っていた
それはチケットぴあなどでコンサートの情報を調べたときに
宮田さんの名前が何度か出てきたことがあったからだ

おそらくホールクラスの会場でチェロメインでコンサートが
開ける日本のチェリストは本当に少ないと思う
そういった意味から考えると、静岡で宮田さんのチェロを聞くことができて
このリサイタル・シリーズは素晴らしいと思えてくる

会場は満員ではないが、概ねお客さんで埋まっていた
ピアノとチェロだけのコンサートなのでどちらの音色も細部まで
はっきりと聞き取れて、聞きやすいコンサートだった

選曲は多分初心者向けにしてくれてあると思う
クラッシックというよりもう少し、くだけた感じの曲が多かった
ピアソラ(タンゴ)だったり、ガーシュインのように色々なジャンルが
融合した音楽は聞きやすく、そして馴染みやすかった
そして宮田さんのチェロの音色のすばらしさが十分伝わってきた

日本の作曲家である尾高尚忠の夜曲を演奏してくれた
私が唯一持っている宮田さんのCDに入っている曲である
この曲は、尾高が義弟のチェリストのために作曲した曲である
しかもこの義弟とは、宮田さんの師匠である倉田澄子さんの
父親だというから宮田さんにとっても運命な曲だと思う

いつもはCDで聞くこの曲を、初めて生で聞くことができ
私的には大変満足だった

3MA  コンサート

3MA  コンサート

アフリカの3つの国から3人の弦楽器奏者が集まった
スーパートリオが3MAである
先日、静岡AOIで3MAのコンサートが開かれた

マリからはコラ奏者であるバラケ・シソコ
マダガスカルからはヴァリハ奏者のラジェリー
モロッコからはウード奏者のドリス・エル・マルミ
皆各国を代表するような一流奏者である

グループ名の3MAであるが
3人が住む国の頭文字が共通言語のフランス語で
MAとなることから3MAと名付けられているという
モロッコはフランス語でMarocと書くことも初めて知った

3人の演奏している弦楽器が個性的である
私は唯一「ウード」だけは、演奏を聞いたことがあったが
その楽器がウードという名前だとは知らなかった
コラやヴァリハについては名前もその音色も初体験だった
浜松市の楽器博物館に展示されていた気がするので
形だけは見たことがあるかもしれないが、実に個性的な形なので
演奏方法は想像できないような楽器である

そんな程度の知識で参加したこのコンサートだっだが
聞き終えての感想は、実に素晴らしいコンサートだと思った
初めて聞くアフリカの弦楽器の繊細で美しい音色に
すっかり魅了されてしまった
そして演奏された曲も聞きなじみのある曲ではなく、私には新鮮な曲だった
曲の多くは、何処かおおらかで優しく、私は勝手に自分の持つアフリカの
イメージそのものの感じがした

そして特によかったことは、3人の演奏する楽器のソロ曲が
プログラムに1曲ずつ組み込まれていたことだ
そのソロ曲を聞くことによってその楽器単体での音色が
しっかりと確認できた
特にコラという楽器は大きくて私の勝手なイメージでは
太い音が出そうな感じがしたのだが、実に繊細で高音に
魅力がある楽器だと思った