「平成・東京・スナップLOVE」展

「平成・東京・スナップLOVE」展

この企画展の情報を知ってからずっと行きたいと思っていた
そしてその念願どおり忘れることなく見ることができた
場所はフジフイルム スクエア六本木で、入場料は嬉しい限り無料である
私は新国立美術館と共に年間に3~4回はこのギャラリーに来るのだが
いつも興味深い展示を無料で見せてもらえて
大変ありがたいと思っている
この企画展は六本木の後、富士フイルムフォトサロン大阪へ
巡回するという

さてこの企画展であるが「平成」、「東京」、「スナップ」を
キーワードとした11人の写真家の作品が展示されている
平成の東京のスナップ写真ということになるのだが
展示写真にはポートレート写真があったりと
スナップ写真とは呼べないような写真もあった
だからもう少し範囲が広まり、平成の東京の写真の
展示ということになるだろう

私は日ごろからスナップ写真を撮ることが好きで
頼まれもしないのに近所を徘徊し、くだらないものを探している
だから偶然撮れた一枚の喜びは、何度か味わったことがあるが
格別な喜びである
そんな日は帰りに一人飲み会を開催し、祝杯を挙げたりしている

それだからか、どちらかというとスナップを撮っている写真家が好きだ
11人の写真家の中には知らなかった人も数人いたが
尾仲浩二、大西みつぐ、ハービー・山口といったスナップ写真を
得意とする写真家のちょっと懐かしい写真が見たかったのだ

令和になったと言ってもつい2か月前までは平成だったのだ
それだから平成の写真を見ても懐かしさなど感じはしないと
勝手に思っていたのだが、それは違っていた
写真の多くは現在とはちょっと違う古さを感じるのだ
尾仲さんや大西みつぐさんの写真が古く感じるのわかるのだが
中野正貴さんの有名な作品「TOKYO NOBODY」に写る
ビル風景も何か少し古く感じるのだ

これは一言で「平成」といってもこの言葉の中には31年の年月が
流れていることの確認のようにも感じられた
そんな月日をリアルに、そして手軽に感じ取ることができるのは、やっぱり
写真ならではなのではないだろうか? などと思うのでした!

 

変わる廃墟展

変わる廃墟展

去年もこのくらいの時期に開催されていたようだが、私は知らなかった
先日偶然、静岡パルコの前を歩いていたらこのポスターを見つけた
入場料金が500円と安いのと写真展のタイトルにある
「変わる」という言葉に惹かれ見てみた

廃墟や工場夜景などはもう随分と前から愛好家に好まれている被写体だ
だからもはや撮り尽された感がある
私も最初は新鮮に感じたのだがかなり見ているので、もはやお腹一杯といった
水準まできてしまっている
それは丁度、富士山やお祭りなどの写真と同じ感じである
それだから「変わる」という言葉にちょっと期待していた

会場には何人かの廃墟愛好家の写真の展示がされていた
それぞれが撮った恐らく国内外の廃墟が並んでいた
確かに美しく何処か現代アートの作品のような感じさえする
しかしそれらは変わる廃墟ではなく、今までと変わらない廃墟だった

只、初めて廃墟の写真を見る人にはなかなか興味深い展示だと思う

 

志賀理江子写真展  ヒューマン・スプリング

志賀理江子写真展  ヒューマン・スプリング

東京都写真美術館で開催されていた志賀理江子の写真展
私にとっては、今回が初めて志賀さんの個展を見る機会だった

会場内には、幅と高さ2m位、奥行き1m位の写真を
展示すると直方体となる木製の枠がいくつも
置かれていて、そこに写真が展示されていた
フィールドワークとしている東北で撮られた写真かと思いきや
どうも違うらしい
主催者の挨拶文は、今回の展示の説明をほとんどしてないように
感じられるものだった
私には、展示されている写真と写真展のタイトルが
どうも繋がりにくく、難解に思えた

見本図録を見たら、図録の中にはもう少し説明がありそうだったので
購入して読んでみることにした
「人間の春」と題したご本人の文章からは
春になると別人となる人の話から始まる
その人は春になると頬が赤く高揚し、夜も眠らず笑顔で歩き続けるのだという
きっとその人をタイトルとしていることは理解できた
実際写真展では、この赤い顔の男の写真が
最もたくさん展示されていた写真だった

文章はその後、「四季」や「日常」だったり「死」や「鬱」にまで
展開されていったが、四季から日常に話を繋げていくところが
私には理解しずらかった

会場は、人間の春のモデルとなる男の写真と背合わせに
何処か死を感じる写真が展示されていた
私は、生と死だったり、躁と鬱をイメージしたが、作家の意図を
どこまで理解できたかは怪しい

図録の中には、小原真史さんとの対談が掲載されていた
会話の中では、小原さんが制作したドキュメンタリー映画
「カメラになった男 写真家中平卓馬」の話がたくさん出てきた
私はこの映画を、最近になってようやく観ることのできたばかりだったので
この対談は、大変興味深く読ませてもらった