長島有里枝写真展

長島有里枝写真展
「知らない言葉の花の名前 記憶にない風景 わたしの指には読めない本」

長島有里枝さんの写真展が、少し前だが開催されていた
会場は、横浜市民ギャラリーあざみ野だ
この会場は写真の展示が多く、私は一度行ってみたいと
前々よりかなり気にしていた
今回長島さんの展示があったので、この機会に訪れてみた

初めて行ったその建物は、白を基調といていて、まだ新しかった
会場に入ってみると、そこも白を基調としていて、天井も高く
広々とした空間だった
入場料無料であるのに、入口で立派な冊子をいただけた
後で読んでみたらこの写真展の背景がよくわかる内容になっていた

タイトルからもわかるように、今回は3つのテーマが展示されていた
どれもあまり考えたことのなかった知覚に対して
根本的できっと明確な答えの出ないところを写真で提示していた

作品を見ていると、そのわからなさが逆に心地よかったりするから
不思議な感覚だった
「わたしの指には読めない本」は、点字の本を指で読んでいる作品だった
点字が読めない私は、当然だが、書かれている文章はわからない
点字と指だけの情報なので、正直何も伝わってこないのだが
それでも見ていて、何処か心地よい感じなのだ

そして「知らない言葉の花の名前」では、このタイトルが
脳にインプットされてしまっているので、花の咲いてない鉢に
取り付けられた読めないような外国語で書かれた名札を
読むまい(見るまい)と思っているのに見てしまう私がいた

写真自体はシンプルなストレート写真であるのに
作品は正にコンセプチュアルアートといったところが面白かった

長野重一写真展 「この国の記憶」

長野重一写真展 「この国の記憶」

私が日本で最も好きな写真家である長野重一さん
今もお元気なのか?と思っていたら、この展覧会の始まる少し前
2019年1月30日にお亡くなりになってしまった
93歳だった
ご長寿とはいえ、とても残念である
心からお悔やみ申しあげます

写真展の会場は、品川のキャノンオープンギャラリーであった
写真集「ドリーム・エイジ」「東京・かつて…」「この国の記憶」
「遠い視線・東京好日」これら4冊の中から25点が展示されていた

この4冊の写真集の中で「ドリーム・エイジ」と「遠い視線・東京好日」は
所持しているが、ほかの2冊は持ってないし、見たこともないので
初めて見る写真も何点かあった

長野さんの写真からは時代が感じ取られるのだが、その捉え方や
提示の仕方のセンスが私はとても好きだ
引き気味の写真の余白からは、自分が傍観者であること
そして対象物の周りの風景と、その場の空気感までもが伝わってくるようだ
だからそれらの写真は色々な想像をしながら、長い時間見ていても飽きることがない

最初の展示であるねじり鉢巻きがかっこいい「魚屋の子供」を見ながら
ねじり鉢巻きも魚屋も少なくなってきたことに気づかされた
そして、「団地」の写真も時代と生活感と、さらに対照的な上下の人物のポーズに
写真の面白さが感じられてしばらく見入ってしまった
スナップ写真の面白さを再確認するような展示であった

隣の会場では、多摩美術大学グラフィックデザイン学科
上田義彦クラス有志展が開催されていた
折角だからと思い、こちらも見てきたのだが、日常の何気ない風景の中から
言葉にしにくい風景をうまく切り取った写真が多く、好感が持てる展示だった

 

ギルバート・コレクション展

アメリカ近代写真の至宝 ギルバート・コレクション展

自らも写真家であった収集家アーノルド・ギルバート氏夫妻が
約20年間に収集した写真コレクション(約2000点)を
1986年に京セラ株式会社と稲盛和夫氏が購入し
京都国立近代美術館に寄贈した
それが「ギルバート・コレクション」である

今回はその貴重なコレクションの中から10人の写真家達による
約70点の写真を展示している
場所は、フジフイルム スクエア六本木内で、ありがたいことに
入場無料である

今回の展示のキーワードになっている言葉
「ストレート・フォトグラフィー」とは、19世紀後半までの
写真表現の中心であったピクトリアル写真から決別し、写真独特の
無限にシャープで、質感までもが伝わってくる緻密な描写表現を言う
「近代写真の父」と呼ばれるアルフレッド・スティーグリッツが
提唱した写真表現である

ピクトリアル写真とは、絵画の様式を模した表現であるが
ストレート・フォトグラフィーはそれに反し、カメラやレンズといった
工業製品のメカニズムを生かした写真独自の表現方法だと言える
今回はそんな写真が展示されている

10人の写真家とは、アルフレッド・スティーグリッツをはじめ
イモジェン・カニンガム、エドワード・ウェストン、アンセル・アダムス
ハリー・キャラハン、アーロン・シスキン、ウィン・バロック
ポール・ストランド、ブレッド・ウェストン、マイナー・ホワイトである
私はこの中で4人は知らない写真家であった

個人的には、アンセル・アダムスの静物の写真や
アルフレッド・スティーグリッツの有名な「三等船室」
そしてポール・ストランドの「白いフェンス」が良かった
特にポール・ストランドは、見たいと思って写真集を探したが
非常に高価で買えなかったこともあり、特に嬉しかった

そしてこの展示の横には、今年亡くなられた樹木希林さんに関する
展示も行われており、老若男女問わず大変な賑わいであった
フジフイルムのCMといったらやはり樹木希林さんである
会場ではあの面白いCMの数々が流れていて
皆、懐かしみながら大笑いして眺めていた