屠(と) 深瀬昌久

屠(と)  深瀬昌久

2015年に渋谷で開催された写真展
「救いようのないエゴイスト 深瀬昌久」の会場で購入した写真集
1971年に出版された「遊戯」1978年の「洋子」の中に部分的に
掲載されていたシリーズを1冊にした写真集だ

750部限定で発売されたがすぐに売り切れ、すでに発売額の3~4倍の
高値でこの中古本が販売されている

日曜日の屠殺場を舞台に後の妻になる鰐部洋子を
モデルに撮られた写真は場所としての緊張感と
写真家の持つ狂気的なエネルギーから
独特で異常な雰囲気を醸し出している

深瀬昌久は没後も非常に人気の高い写真家である
私の所有する写真集の中では、彼の「洋子」が最も値が上がった
写真集となっている

 

 

 

ステファン・ショア 「Uncommon Places The Complete Works」

ステファン・ショア 「Uncommon Places The Complete Works」

ニューカラーの代表作家と言われているステファン・ショア
1970年台ビューカメラでアメリカ各地を撮った写真集が
この「Uncommon Places The Complete Works」

ニューカラーとは何ぞやであるが
それまでの芸術表現としての写真はモノクロが圧倒的主流であったが
新しい世代の写真家たちがカラーフィルムを使って写真表現をし始めた
そんな彼らの作品を「ニュー・カラー」と総称されている

この写真集を眺めていると何気なく見ている風景が
実際はこんなにも色彩に富み微妙なバランスで成り立っていることに
気づかされる
そして何だかとてもすがすがしい気持ちになれる

言うまでもないと思うが、ステファン・ショアはすごい目をしている

 

流れの歌

鈴木 清  「流れの歌」

1972年に自費出版された処女作の写真集が
本人没後10年経った2010年に復刻された
私はその復刻版を購入したのであるが、現在では復刻版も売り切れ
結構いい値段で古本が販売されている

最初に見たときは正直あまり気に入ってなかった
トーンも全体に暗いし、被写体にも暗いイメージを感じていた
けれど何度も見ていくうちに、被写体となった人々の
気取らない笑顔に今まで感じていたイメージとは違い
むしろ前向きに生きているイメージを感じるようになった

本人自らが何度も何度も構成や配置を練られたようだ
見る側にもそのあたりを考える力が求められるだろう
私にそのあたりがどれだけ理解できたかわからないが
何度も見ることにより、いろいろな解釈ができるようには
なったと思う

四部構成の写真集であるが、個人的にはやはり第三部の
旅回りの大衆演劇の一座を撮った写真が特に好きである

「流れの歌」なんてかっこいいタイトルだろう