Mr.ノーバディ

Mr.ノーバディ

2020年製作のアメリカ映画
2021年6月に劇場公開になったようだが、コロナ禍で大変だった時期だ
存在すら知ることなく、今年(2022年)になってアマゾンプライムで鑑賞し
かなり気に入った作品だ

まず始まり方がかっこいい
取調室におやじが一匹
見てくれは正直かっこいいとは思わないが、調べを受けている警官に
対してかなりかっこつけている
(この先の展開を知らない私は最初はそんな感想だった…)

一週間をハンコで押したような変化のない生活を送っているこのおやじが
実はとんでもなく強者だということが映画になっている
この落差が気持ちいい作品である
後に最初の取り調べのシーンをもう一度思い浮かべると
あのおやじはかっこつけていたのではなく
本当にかっこよかったのだ!と
すんなり自己を訂正してしまうほどの落差である

以前観たシャーリーズ・セロン主演の「アトミック・ブロンド」の監督が
製作チームに名を連ねるだけあって
アクションシーンもかなり本格的で見ごたえがあった
老人ホームから参戦した父親も意外性があり面白かった

声もなく

声もなく

2020年制作の韓国作品
この作品はたぶん若手から中堅俳優に差し掛かったユ・アインの
代表作となっただろう

ユ・アインの名前を私に強烈に印象付けたのは2015年の大ヒット作「ベテラン」だ
この時は狂ったボンボン役を迫真の演技で演じていた
主演のファン・ジョンミンを食ってしまいそうなほどの演技だった
当時ユ・アインはまだ20代だったので、若手時代から演技派俳優だったことがわかる

さて今回の「声もなく」だが特徴がいくつかある
無名の新人女性監督の低予算オリジナル脚本作品にユ・アインが出演したこと
そして口のきけない役であるのでユ・アインは、一切セリフがない
更にはユ・アインは役作りで体重を15キロ増量して挑んでいる
観終わって感じたことは、確かに青年テイン(ユ・アイン)が引き締まった肉体を
していたら、「ちょっと違う」と思ってしまっただろう
このような特徴のある作品である

ストーリーにも特徴があった
ノワール的要素から始まったかと思いきや、ユーモアや風刺を交えながら
誘拐事件になっていくのだが、一方的な誘拐と比べたら知り合いの家に
宿泊しているくらいのユルさもあったりして面白い
かといって互いを100%信頼するわけではないので、常に展開に緊張感はある
韓国映画にはあまりないタイプの作品に思えた

中にはあの「パラサイト」に似ているという人もいるようだが
ユーモアや風刺の要素は確かに同じ方向のものだが、ストーリーの持つ「波」は
全く違うと思える
この「声もなく」の波は終始穏やかなのであるが非凡で鋭さを持っていると思った

ホン・ウィジョン監督は1982年生まれであるから
映画監督としては間違いなく若手の部類になると思う
この作品を観た多くの人と同じ感想となるが
この先がとても楽しみな監督だと思う

ハウス・オブ・グッチ

ハウス・オブ・グッチ

2021年製作のアメリカ映画
「クライ・マッチョ」と同日に日本公開されたこの作品も
巨匠と呼ばれる監督の作品であった

現在84歳のリドリー・スコット監督があの有名ブランドである
「グッチ GUCCI」の闇を描いたサスペンス作品である
どこまでかは不明だが、実話を基にしたサラ・ゲイ・フォーデンの
ノンフィクション小説「ハウス・オブ・グッチ」が原作となっている作品である

リドリー・スコット監督はSFからサスペンスまで
かなり作品の守備範囲が広いので、そのすべての作品を観ることは
私にはかなり難しいのだが、名前を見るといつも気になる監督である
最近観た作品で事件を基にした「ゲティ家の身代金」も本作と同様に
サスペンス作品だったが、スリリングで面白かった

最近は私も歳を取ったこともあり、100分くらいの上映時間の映画が
快適に感じるようになったのだが、この作品は上映時間159分の大作である
好ましく思える100分にあと1時間プラスされるのはかなり長い感じがする
そんなことを思いながら鑑賞したのだが、すっかりストーリーに入り込んでしまい
尺の長さは全く感じなかった

作品がとても面白く思えるのはストーリーの上手さもあると思うが
キャスティングのハマり具合も大きいと思えた
グッチ家の崩壊を招いた主役(?)であるパトリツィア・レッジャーニを演じた
アダム・ドライバーは期待通りだったが、その妻を演じたレディー・ガガには
正直びっくりした
わたしはレディー・ガガの出演する作品を観たのは初めてだが
適役すぎて全く違和感などなかったし、彼女を見ていてかなり作品に
入り込めた感じがした

アル・パチーノもちょっぴり間抜けで味のある役に合っていたと思うし
もっと間抜けな役であるその息子を演じたジャレッド・レトが絶妙に
効いている作品だと思えた

どうでもよい話なのだが、アル・パチーノのセリフに「御殿場」が
出てきたことに強い衝撃を受けた私だった